内容説明
江戸市中では打ち毀しが続く幕末。「からくり錠の三五郎」と呼ばれる錠前師の元に用人風の武士が駕籠で訪れた。依頼を快諾した三五郎はある武家屋敷へ。「鍵がなくなった錠前を開けてほしい」といわれ堅牢な扉に挑むが、鍵穴から見えたのは湯文字姿の女。そこから三五郎はとんでもない事態に巻き込まれ……。他にも変わった凧師や拘りの化粧師など江戸の暮らしに根付いた職人たちの人間模様を描いた珠玉の九編を収録した傑作短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
痴遊亭区路州
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短編9篇からなり、江戸時代末期の職人の、技術・心情・生活を興味深く知ることができる。冒頭の「錠前師」は展開が巧みだが、締めがあっけない感じなのが残念。「凧師」(タコ制作者)と「大工」はホットするハッピーエンド。「葛籠師」(つづら制作者)はしみじみ系。「女刺青師」(ほりものし)は威勢のいい町火消も登場し実にドラマチック。「引札師」(宣伝文の作者)は二人の老武士に関わるユーモア系。これら6篇は楽しめる。あとの「化粧師」(けわいし)は事故破滅型らしく感情移入し難く、「人形師」と「桶師」も私にはイマイチでした。2025/08/29
goodchoice
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江戸時代のいろいろな職人を主人公に綴られており、それぞれの分野の名人技が紹介され非常に楽しめる。2025/08/02




