内容説明
二十八歳の地下アイドル、赤羽瑠璃は、男の部屋のベランダから飛び降りた。男といっても瑠璃と別に付き合っているわけではない、瑠璃のファンの一人で、彼女が熱心にストーカーしているのだ。どうしてそんなことをしたのか、話は四年前にさかのぼる…(『ミニカーだって一生推してろ』)。天才ファッションデザイナー・灰羽妃楽姫は、二八歳の誕生日プレゼントに、ガラスの靴を受け取った。送り主は、妃楽姫がいつか結婚すると信じている男、妻川。しかし次の瞬間彼女が聞いたのは、妃楽姫以外の女との、妻川の結婚報告だった…(『きみの長靴でいいです』)。他4編。斜線堂有紀の初の恋愛小説集。
目次
ミニカーだって一生推してろ
きみの長靴でいいです
愛について語るときに我々の騙ること
健康で文化的な最低限度の恋愛
ささやかだけど、役に立つけど
星害を受ける
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
32
ままならない恋に直面した時にどうするのか、どうにかせずにはいられない登場人物たちの葛藤を描いた恋愛小説集。地下アイドルだった自分を推してくれていたファンをストーカーするアイドル、エモい物語を一緒に歩んできたビジネスパートナーの突然の結婚報告に動揺する天才デザイナー、高校から続く男2人と女に生じた一方通行の三角関係、新入社員の好青年に一目惚れして生活を犠牲に一生懸命話を合わせる先輩、そして東グレの短編。客観的に見れば良くないことだと分かっていても、理屈ではないからついあがいてしまうそれもまた愛なんですよね。2025/04/20
りこ
18
人を好きになって、愛して自分ではなくなっていく感覚ってどんな感じだろう。自分でやばいって思うのに抜け出せないときは、どうしたらいいの。警察にお世話になるまでにやめたいけど、そう思ってる時点で、恋に落ちてはないのかな。2025/10/06
なみ
16
ファンをストーカーするアイドルや、ひと目惚れですべてが変わってしまったOLなど、恋愛で狂ってしまった人たちを描いた短編集。 どうしてこんなことに……と痛々しく思うと同時に、狂ってしまうほどに誰かを好きになれることをうらやましくも思いました。 心を鋭く突き刺すような感情描写がとても良かったです。 どの話もしっかりダメージを受けるのに、ページをめくる手が止まらないので、読むときは覚悟をして本を開いてください。2025/05/16
maiko
11
カタチは違えど、すべて愛でした。 愛って重いんだな。2025/07/28
パンざわ
10
人が死ぬようなどろどろした愛憎ミステリーを想像していたががっつり恋愛小説だった。ただ歪んだ恋愛であるが。この小説は愛をさまざまな言葉で定義する愛の表現集だと思った。「推し」や「信仰」「友情」といった感情には愛は存在するが、それ自体は愛ではないという一線を引いて説明している点が興味深かった。愛という複雑なテーマを深く掘り下げた、読み応えのある一冊。2025/09/14
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