扶桑社BOOKSミステリー<br> イーストレップス連続殺人

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扶桑社BOOKSミステリー
イーストレップス連続殺人

  • ISBN:9784594100575

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内容説明

“ありそうもないこと”を具象化した
グロテスクな犯人像に脳のざわめきが止まらない。
犯罪小説とフーダニットの区分を帳消しにする早すぎた傑作。
――法月綸太郎氏(作家)

風光明媚なノーフォーク海岸沿いの保養地イーストレップスで、老婦人が友人宅を訪れた帰りにこめかみを刺されて殺害される。
続けて第二、第三の殺人が同様の手口で繰り返され、街は謎の殺人鬼「イーストレップスの悪魔」の影におびえることに。
地元警察はついに有力な容疑者を確保するに至るのだが……。
意を凝らしたミスディレクションと巧妙なレッドへリング、白熱の裁判シーン、フーダニットとしての完成度。
映画『白い恐怖』原作者による、本格ミステリー黄金期の知られざる傑作を本邦初訳!(解説・塚田よしと)

探偵小説オールタイムベスト10のひとつ。
――ヴィンセント・スタリット(作家、シャーロック・ホームズ研究者)

鮮やかで独創的な連続殺人犯(シリアル・キラー)のフーダニット。
素晴らしい海辺の舞台設定と巧妙なツイスト。
――マーティン・エドワーズ(作家・評論家)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yukaring

76
とても読みやすいフーダニットの秀作。1930年代のミステリの発掘とのことだが、現代のミステリと比べても遜色ない面白さ。海辺の保養地イーストレップスで起こる謎の連続殺人事件。こめかみを刺された死体が次々と見つかり風光明媚な街は騒然とする。謎の殺人鬼は「イーストレップスの悪魔」と呼ばれ、状況は地元警察の手には負えない事態へと発展。被害者たちはなぜ殺されたのか?巧妙に張り巡らされた伏線やさりげない罠、白熱の裁判シーンはどこかアイリッシュの「幻の女」を彷彿させる。完成度の高いシリアルキラーものをとても楽しめた。2025/07/15

geshi

26
群像劇形式で描かれるシリアルキラー物のかなり典型的なパターン。1930年代の探偵小説全盛期に書かれたと考えると早すぎたという評価も頷けるが、シリアルキラー物が乱立した現代の読者からすると普通という印象。事件に対する町の住民たちの反応や警察官たちの捜査など色々な方向から見せるためとはいえ多視点の切り替わりが読みにくさを生んでしまっている。サスペンスっぽい読み口の部分や法廷物になる展開など手を変えて読者を引っ張り、意外な真犯人でサプライズを叩きつけるシリアルキラー物の原型のような作品だった。2025/06/21

まぶぜたろう

22
黄金時代のパズラーにありがちな人々がぞろぞろ出て来て、軽妙なのであろう会話を繰り広げ、その合間に殺人が起こるという展開が、ホントに辛い。退屈。イヤイヤ読んでた。後半、裁判劇となり意外な展開を見せるのが「早すぎた傑作」たる所以なのだろうが、すみません、時既に遅し、全くノレず。犯人も今どきに無茶なサイコパスだし、中学生の頃に読んでたら、もしかしたらめちゃくちゃ面白かったかもしれない。でも100年前のサスペンスだから意外でもなんでもないし、大仰な文章も煩わしいし、かなりキツかったです。(◯◯◯●●)2025/08/14

M H

20
黄金期の隠れた傑作として紹介されている。のどかな保養地に跋扈するシリアルキラー、裁判そして意外な犯人とサクサク進む。登場人物が覚えづらいけど犯人の見当はつきやすい。動機はまぁまぁ現代的でわからなくはない、あ、嘘ですわかりませんトチ狂ってます。こんな話聞かされた人もかわいそうだよ。古典らしいあっさり目な処理が読み味的に成功している気がする。2025/08/14

だるま

16
保養地イーストレップスで老婦人が何者かに殺害され、同じ手口で第二、第三の殺人事件が起こる。シリアルキラーの仕業だと怯える人々。そんな中で地元警察は有力な容疑者を確保するが・・・。正直、この辺りまでは登場人物が多くガチャガチャして読み辛かった。容疑者の裁判の場面から一気に読み易くなり、真犯人が判明するラストまでは無類の面白さ。まだこの類いの傑作が未訳で残っていたんだなあ。真犯人の隠し方は、作品が発表された1931年には斬新だったろうし、読者を惑わす罠の張り巡らし方も良く考えられている。新たな古典と言いたい。2025/07/22

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