内容説明
第二次世界大戦に突き進む世界。
なぜ戦争は避けられなかったのか。
日本近現代史の視点で世界史を横断し、「世界の中の日本」を捉え直す。
本書では、近代の「戦争」と「世界」について、世界の第一線で活躍する歴史学者らが考え尽くした研究成果をわかりやすく解説。
近代日本が戦争を交えた相手国【中国、ロシア、英国、ドイツ】との二国間での歴史共同研究をもとに、戦争終結後の和解と共存の真の方向性を探る。
戦争に至る過程で双方に起こっていたことは何であったのか、双方の国家の指導者の意図や社会を構成する人々の意識はいかなるものであったのかについて、現時点で利用可能なあらゆる史料や記録によって明らかにする。
日本近代史をはじめ、隣接領域である西洋史、東洋史、グローバルヒストリーなどの世界史の面白さを堪能。歴史学者と手描きイラストルポライターによる類を見ない画期的な一冊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダージリン
4
終戦80周年ということもあり、少し戦争について学ぼうと加藤陽子さんを読む。中国、イギリス、ドイツ、ソ連との関係についての学術書を紹介していき、多様な視点からの研究を紹介する形になっている。気楽な筆致ではあるが、内容はレベルが高くて、さほど知識がない私には難しいところもあった。当時の社会は日本に限らず現代とはあまりにも乖離があり、なかなか正しく理解することは難しいだろうが、近接していく試みは着実に進められていることを知る。2025/07/27
Go Extreme
2
https://claude.ai/public/artifacts/60ecbd09-2ae1-4213-b69b-1e7931c69e6e 2025/06/24
onepei
1
ついついイラストに目が行ってしまう2025/07/19
古寺
0
著者の加藤陽子氏は日本近現代史が専門である。加藤氏からすれば中国やロシアは「となり」になるのだろう。ドイツやイギリスも含めた日本との関係(主に19世紀から20世紀)について各分野専門家の著書の入門書(解説書)が本書である。少しはこの頃の歴史に関する本を読んだ気になっていたが、研究者の奥深さには圧倒された。これらの研究成果を生かしていくのが政治家の役割のひとつだと思うが、その問題意識を持っている議員がいるのだろうか? 著者の加藤陽子氏は数年前、日本学術会議の委員を政治家によって拒否された。憤りしかない。2025/08/10