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内容説明
日本人は1日平均200グラムのウンコを排出する。欧米と比べて、日本は世界有数のウンコ排出大国といえる。ウンコは肥料の三要素のうち、窒素とリン酸を豊富に含む。リンの主要産出国である中国が禁輸に動き、ウクライナ危機も重なって、世界的な肥料不足が懸念されるなか、ウンコの価値が世界で評価され始めた。自動車燃料、発電、ロケット燃料として、下水熱を使ったビル空調や、冬場に凍結した雪を融かす熱源として、養殖海苔の栄養塩として、ウンコの活用分野は、想像以上に幅広い。日本経済の切り札「ウンコノミクス」の可能性を探る。
目次
第一章 迫るXデー――リン酸が足りなくなる日
第二章 ウンコ版「夜明け前」――バカにならない温室効果
第三章 再び「金肥」になる――ウンコの山は宝の山
第四章 夢洲(ゆめしま)はウンコ島――悲しき埋め立て処分
第五章 水産から半導体まで――生活を支える資源への回帰
第六章 ウンコは熱い――サステナブルな熱源
第七章 先進国化が絶った循環――ゴミになったウンコ
第八章 食糧輸入大国はウンコ排出大国――合わない養分収支
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Aya Murakami
76
確か通院先近くの大型書店で購入。 へええ…、リン鉱石って放射性物質やカドミウムを含むことが多いのか。そして化学肥料の形にするのに莫大なエネルギーが…。肥料の原料としてはウンコの方が上手ですね。 ウンコを肥料にするにはたい肥にする形と焼却した燃えカス(?)を利用する形とがあるそうですが、処理費用や場所の確保から焼却型が人気みたいですね。個人的には窒素も余すことなく利用したいのでたい肥型を希望なのですが…。焼却によって一酸化二窒素というシャレにならない温室効果ガスも発生することですし。2026/04/09
Yuma Usui
22
ウンコの経済的価値に迫った一冊。江戸時代には金肥として売買されていたウンコも、近代化によりお金を払って処分する厄介者へと立場が逆転。しかし近年、円安や世界的な肥料需要の高まりを背景に、その価値が再評価されつつある。本書では、リンやバイオガス、熱エネルギーなど、ウンコ由来の資源に注目し、それらが日本国内でどのように活用され、今後どう展開しうるかを多角的な取材を通じて丁寧に描いている。中でも、リンは中国への依存が9割に達しており、地政学的リスクや食料安全保障の観点からも非常に考えさせられる内容だった。2025/06/14
活字スキー
22
今や国を問わず、持続可能な循環型社会のためにはあらゆる可能性を検討しなければならないことは明明白白なのに、人や家畜が日々排出する膨大な糞尿を問答無用で「廃棄物」として焼却、埋め立て処分してしまっていいのか。否!いい訳がない。資源小国日本において、自前で賄えるのはHENTAIとUNKOくらいのものであると認め、それを最大限活用することは、国の存続と繁栄のための絶対条件といっても過言ではないだろう。ボーッと流してんじゃねーよ!2025/05/06
ようはん
19
汚いタイトルであるが江戸時代の日本の農家は都市で集めた糞尿を肥料として使用していた歴史があり近代化により衛生面で廃れたが昨今は化学肥料の原料、特にリンが入手しずらくなる情勢に入り糞尿からのリン採取等の再活用が注目されている。他にもメタンガスや下水道の熱の活用など糞尿に多様な可能性が見出されているのは興味深かった。2026/06/10
shikada
12
日本は、その人口と長寿・食物繊維の摂取量もあいまって「排出大国」。下水汚泥は焼却処分されることが多いが、実は肥料や熱源(融雪やビル暖房)、バイオガスなど用途は多いと説く。特に肥料になる下水中のリンは、現状で中国からの輸入への依存度が高い。リンはEV用のバッテリーと需要の食い合いがある他、中国に次いで輸入量が多いモロッコ経由の入手も、原油高によりコストが高くなっている。下水を調べてコロナなどの感染状況がわかる「下水疫学」なる学問もはじめて知った。2026/01/04




