内容説明
誰もが動物と会話したいと思っている。はたしてそれは可能なのだろうか。残念ながらこれまでの研究では明確な答えが出ていない。なぜなら、私たちはそれを調べる方法を間違えているからなのだ。
それを実現するには、動物が発する音(声)を調べて、それを人間の言葉に「翻訳」するのではなく、動物がなぜそのような行動をとるのか、その行動はどこから来るのか、そしてその行動を支えるために彼ら特有のコミュニケーションがどのように進化してきたのかを理解する必要があるのだ。しかも実験室の中ではなく動物たちが棲む本来の場所でのコミュニケーションを知らなければならないのだ。つまり、動物のコミュニケーションを彼らの視点から見ることが大事になる。
動物がしゃべるといっても、単純な要求に基づいて単純なコミュニケーションをしているのかもしれない。しかしそれこそが動物を理解する方法なのだ。なぜ動物が話すのか、話す必要があるのかを理解することで、初めて動物のコミュニケーションが理解できる。著者は自分自身のフィールドワークでの観察をもとに、動物の行動を科学的に明らかにしていく。
目次
序章 みんなが話してる……誰も言葉を発していないけど
第1章 オオカミ
第2章 イルカ
第3章 インコ
第4章 ハイラックス
第5章 テナガザル
第6章 チンパンジー
第7章 ヒト
終章 もしも動物と話せたら……
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
139
大変興味深かったです。イルカは(野性のも)それぞれ自分の名前持ってるらしい、びっくり。言語とは何かという考察も独特で(言語学者とも違い)面白かった。いつもは読み飛ばす最後の謝辞が、思わず読んじゃう面白さ2025/09/05
スプリント
10
動物たちは言語でなくても気持ちを伝えようとしているよなと感じる。 2025/08/30
於千代
3
オオカミ、イルカ、インコ、ハイラックス、テナガザル、チンパンジー、そしてヒト、それぞれのコミュニケーションの特徴を取り上げた一冊。一口に「コミュニケーション」と言っても、種によって全く異なる点が興味深い。とりわけイルカの章では、彼らがコミュニケーションを取る理由を「遊びを深めるためではないか」と考察しており、必ずしも実用的な目的に限らない進化の可能性が示されている点が印象に残った。2025/09/07
2138
3
オオカミ、イルカ、インコ、ハイラックス、テナガザル、チンパンジーの音声コミュニケーションと人間の言語の比較と理解の本。環世界とは遠く、徹底して人間の感覚から音声コミュニケーションを論じる内容。それにしても邦題のセンスがひどすぎる。2025/08/28
コウみん
2
動物の言葉を真剣に研究してみた。 狼、ヨウム、イルカ、テナガザル、ハイラックス、チンパンジーそして、ヒト。 彼らはいかにコミュニケーションを取るのか。 イルカの話は前に聞いたことがあったが、他の動物の話は少し気になった。2025/09/24
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