河出新書<br> ファンたちの市民社会 あなたの「欲望」を深める10章

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河出新書
ファンたちの市民社会 あなたの「欲望」を深める10章

  • 著者名:渡部宏樹【著】
  • 価格 ¥1,155(本体¥1,050)
  • 河出書房新社(2025/05発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309631899

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内容説明

誰もが何かの「ファン」であるこの時代に、よりよい生と社会はいかにして実現できるのか? 資本主義社会が作り出す欲望や快楽とうまく付き合う視座を見つけるための、「ファン研究」入門。

武道でも料理でも、「ファン」を軸に切り込める!
――北村紗衣推薦!

私たちが抱く欲望や快楽の「悪さ」とは何か?
私たちの生活を取り囲む資本主義とどう向き合えばよいのか?
アイドル、トランプ現象、萌え絵、武道、自炊……
より良い生と市民社会を実現するためのヒントは「真面目」な政治的領域だけでなく、「不真面目」な「ファン」に目を向けることで見えてくる!

【目次】
はじめに なぜファンの欲望と快楽を考えるのか?
 「私」を守るためにファンになる/ファンダムの欲望と快楽の「悪さ」…

〈第Ⅰ部 欲望と快楽を育てよう〉
第一章 あなたの欲望を大切にしよう
 アイドル文化を見下してはいけない/男に媚びたマドンナ?…

第二章 感じたことを誰かに話してみよう
 ヤフコメとツイッターを見るジョーカー/社会運動の出発点としての怒り…

第三章 欲望に形を与えよう
 資本主義の中で自分の欲望を練り上げるDIY文化/レイス・ベンディングとコスプレ…

第四章 人に教えたり教えてもらったりしよう
 セーフキャストの非現場主義/遊びと社会運動…

第五章 「キモい」自分を生きよう
 主体化とレイシズム/「キモい」欲望とどう折り合いをつけるか?…

〈第Ⅱ部 現実を二次創作しよう〉
第六章 システムにゲリラ戦をしかけよう
 「この商品を買うとあなたは幸せになりますよ」と資本主義は囁く/性的欲望を共有するコミュニティー…

第七章 支配欲を変形させよう
 異世界転生とコンテンツ・ツーリズムと観光の悪さ/公共の場で萌え絵を見せたいとしたらそれはなぜなのか?…

第八章 英雄のいない世界を作ろう
 安倍首相によるポピュラー文化の利用/インターネット時代における感情の政治とポピュラー文化の動員…

第九章 自炊して盗み、盗まれよう
 自炊は文化の盗用か?/盗まれる実践としての自炊…

第一〇章 楽しい殺し合いができる相手を育てよう
 在野の研究者としての武道家/記号的コミュニケーションとしての殺し合い…

おわりに 楽しい推し活をしよう
 「現実」というフィクションを通して生きる/悪さを引き受けることと成熟…

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かんがく

11
ファン(推し活)を軸に、二次創作、聖地巡礼、異世界転生、陰謀論などをテーマにしつつ、フェミニズムやポストコロニアリズムの学説を引用して、「欲望」「暴力」「資本主義」などについて分析していく。概念を整理した前半は面白かったが、時事問題多めに扱った後半はちょっと散らかっているように感じた。2025/06/02

マンデリン

2
ファン研究というディシプリンの知見から「推し活」を中心に現代カルチャーについて様々な面から論じた著作。他者という記号を利用することなしに自分の主体性や欲望を成り立たせることが原理的には不可能な人間のあり方、著者はそれを「根源的な悪さ」と呼びつつも、その悪さとのつきあい方を論じていきます。 後半の章は「いま何でこの話を読まされているんだっけ……?」と思いつつ読むことが何度かありましたが、AO3やオバマガールの話など、個々の話題に興味深い話はたくさんありました。2025/06/08

ちり

1
“資本主義社会では、商品を買うことが自己実現だと思わせる広告に囲まれて生きることになります。資本主義の「商品を買って欲望を満たせ」という命令から抜け出すためには、広告が宣伝するものとは異なる喜びを発見することが必要で、そのためには自分の欲望に向き合うことが重要です”2025/07/17

レンコン餅

1
良かったけれど、中身が複雑だったのでもう一度読んでおかないと身に入らなさそう。取り上げている事には、興味があるからより理解したい2025/06/17

まつもと

1
思ってたのと違った…というか、後書きにあったアジテーションの本というのが一番しっくり来る。具体的な内容が多くて面白かったし、頭ひとつ先に行ってる感じがあって良かった。ただ、推し活をしているあなたに向かって語りかけているとあるが、読めば読むほど逆にこの本は誰を対象にしてるんだ??という気持ちもありモヤモヤした。推し活という便利で面倒くさい言葉の持つ多様なファン心理・ファン行動と資本主義社会の仕組みによる関係性の変遷や、それによる推し活の重篤性みたいなものを考える本ではない。2025/06/06

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