内容説明
巨大魚と格闘する老漁夫の姿を通して描く、現代の神話。
20世紀アメリカを代表する作家、アーネスト・ヘミングウェイ。
彼の生前に発表された最後の小説にして、ピュリッツァー賞・ノーベル文学賞を受けるなど世界的に高い評価を得た『老人と海』。
劇作家・批評家の福田恆存によるその翻訳は、日本でも初訳(1955)以来、改訂を重ね、累計500万部を超える大ベストセラーとして読み継がれてきました。
本書は、いわば、日本語訳としてこれまで最も愛されてきた福田訳の、待望の新版です。
今回新たに、ヘミングウェイ作品および『老人と海』が日本でいかに読まれてきたかを示す、作家たちのエッセイを巻末に収録。
〈一生に一度は読みたい、文学の底力を示す名作〉として今も親しまれ続ける小説の、装い新たな復刊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Copper Kettle
8
自分でも今さらという気がしないでもないが、帯に「これまで最も愛されてきた名訳、待望の新版」と書いてあったので、逆に今しかないかも、と思い手に取りました。ヘミングウェイの「日はまた昇る」は割と好きなのですが、基本的に長編小説が好きで、しかも長ければ長いほど良いという私の趣味からするとやや好みではない作家、という言い方もできるかな。もっともなかなか読まずにいたのはどういう訳かストーリーのあらましをなんとなく知っていたから。もちろんそれこそこの小説の人気ぶりの証だろう。しかし私の好みからすると淡白すぎるんだよね2025/10/01
ゆうきなかもと
5
福田恆存翻訳の「老人と海」を読んだ。新潮文庫だった。ブック・オフで購入したのだが。そして…とんでもなく面白かった。倒しても倒してもやってくるサメに、ひたすら戦い抜く老人…時に絶望もしているかのようなことを思ったりもするのだが、とにかく戦い抜いた、その姿は、ギリシャ悲劇における主人公のような佇まいだと思う。不幸に継ぐ不幸が、これでもか、これでもかと続くのだ。そしてひたすら戦って戦って戦い抜く。そういう瞬間が確かに僕にもあったし、家族や友人、知人にもあった、読んでいてそれを思い出した。熱い🔥2026/01/30
祈
2
たった数日、たったひとりの船の上での出来事で一篇書くのすごない?少年かわいいね2026/03/06
くにお
2
2時間の長距離ランニングで海沿いを走りながら聞く『老人と海』の朗読は最高であった。サンチャゴの孤独な内省とマラソンは抜群に相性が良かった。走っている途中でLa Merというお店を通りかかり、おっとなる瞬間もあった。本を「読む」ために走る、という一石二鳥の習慣。これからも続けたい。2026/01/14
読書三餘
1
ふたつの「生」を感じた。ひとつは生命力、もうひとつは生もの。鮎川信夫が〈あまりながく時間をおかないで書くことが大事、と思っていた作家〉としたように、我が道をゆく行動力が高い鮮度と臨場感を伝えている。これがハード・ボイルドか。そう感じたときには、柄谷行人による日本の短詩型文学との相似を踏まえ、私なんかは 志賀直哉の『和解』が想起された。非常に淡白で、潔い区切りの文体。しかし、どこかに男らしく脂ぎった感触が漂う文章の力。敵に込めたリスペクト、殺生への理解…。なるほど〈精神的に肯定〉されている。広大だ、海は。2026/07/16




