文春e-book<br> 踊りつかれて

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文春e-book
踊りつかれて

  • 著者名:塩田武士【著】
  • 価格 ¥2,400(本体¥2,182)
  • 文藝春秋(2025/05発売)
  • 真夏も楽しく!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/11)
  • ポイント 630pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163919805

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内容説明

誰かが死ななきゃ分かんないの?

首相暗殺テロが相次いだあの頃、インターネット上にももう一つの爆弾が落とされていた。ブログに突如書き込まれた【宣戦布告】。そこでは、SNSで誹謗中傷をくり返す人々の名前や年齢、住所、職場、学校……あらゆる個人情報が晒された。
ひっそりと、音を立てずに爆発したその爆弾は時を経るごとに威力を増し、やがて83人の人生を次々と壊していった。
言葉が異次元の暴力になるこの時代。不倫を報じられ、SNSで苛烈な誹謗中傷にあったお笑い芸人・天童ショージは自ら死を選んだ。ほんの少し時を遡れば、伝説の歌姫・奥田美月は週刊誌のデタラメに踊らされ、人前から姿を消した。
彼らを追いつめたもの、それは――。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

306
塩田 武士は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、単なるSNS炎上復讐譚にあらず、骨太の社会派大河ミステリ、感動作でした。堂々と今年のBEST20候補です。本書でデジタル・キャンプファイアと言う言葉を知りました。私と共通点のある奥田 美月の「踊りつかれて」を是非聴いてみたい♪ https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639198052025/06/10

やすらぎ

277
SNS、宇宙のような永遠に情報を投げ入れる恐怖。一時の感情の捌け口、その呟きの数だけ当事者を囲み、追い詰める。自身が浮上するわけでもないのに他者を沈める。一度躓いたら終わり、本当にそうなのか。正しさとは何か。どの立場に感情移入するかで読者の感想は変わるだろう。目の前に光る端末が世界とつながるその先、言葉の刃が心に突き刺さっている姿を想像できない人々。踊りつかれて。どんなに辛い人生を過ごしても、夢があり感謝がある。哀愁のメロディが夜の奥から聴こえてくる。青一色、夜の湖面。終盤に出てきたこの表現がとても好き。2025/06/28

パトラッシュ

252
スキャンダルを起こした芸能人をSNSで誹謗中傷し葬った面々が、逆に正体を暴露され社会的に追い詰められていく。ネット社会の歪みを衝く冒頭の衝撃は素晴らしいが、あっさり見つかった暴露犯は名誉棄損で逮捕され、彼の裁判シーンが延々と続くのはどうか。公判の場で正義の匿名性を訴える意図としても、話が矮小化されてしまった。むしろ暴露された一般人が一切を失って破滅する姿を容赦なく描いた方が、より強烈なドラマになったのだが。しかも登場人物の過去の惨い経験は、『朱色の化身』の焼き直し感が拭えない。惜しさ山積みの読後感だった。2025/06/17

旅するランナー

251
週刊誌·SNSによる苛烈な誹謗中SHOW。お笑い芸人は自殺し、伝説の歌姫は引退に追い込まれた。そんな匿名性で武装した卑怯者たちへの宣戦布告、83人の個人情報が曝される。歪んだ正義が蔓延る現代社会への警鐘から、80年代芸能界の裏側、その前の過酷な生い立ちへと繋がる深い人間ドラマ。読み憑かれます。皆が自分のことを棚に上げて物申す恥ずかしさに気づいて、もっと人の心に近い正しさに陽が当たる時代は来るだろうか?2025/08/03

いつでも母さん

198
タイトルも装丁も好みの本作は、直木賞候補作品。序章の『宣戦布告』にガツンと掴まれる。これは怒りだ。前半は晒す闇に終わりはないと思いつつ、後半はかつての名物歌番組や歌姫と言われた歌手を思い浮かべつつ読んだ。「誰かが死ななきゃ分かんないの?」分るわけないのだ。悲しみも苦しみも他人事だから。人の持つ悪意と善意は表裏一体。踊らされているのは私たち。人はそんなに強くない。だから何を信じるか試されているのだ。自分の心が疚しさを知っている。傷つけるのも人だが、救えるのもまた人なのだ。そして、救われるのは誰?2025/06/18

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