内容説明
無明大学にある「怪異民俗学研究室」(怪民研)は、作家であり探偵である刀城言耶の研究室で、膨大な書籍と曰くある品で溢れている。瞳星愛は、昔遭遇した“亡者”の忌まわしい体験を語るため怪民研を訪れた。言耶の助手・天弓馬人は熱心に推理を巡らせ、合理的な解釈を語るが、愛は“ある事実”に気づいてしまう。首無し女、座敷婆、狐鬼、縮む家――数々の怪異と謎に2人が挑む。本格ホラー・ミステリの名手による新シリーズ、開幕! 三津田信三ワールドの魅力が凝縮された連作短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
51
再読、読書メーターの献本でいただいたサイン本です。さて、以前の感想で「怪談もミステリーも中途半端に感じてしまうのは短編に無理やり押し込めたせいではないだろうか?」との解釈をしたが、先頃読んだ同シリーズの長編『寿ぐ嫁首』は、さらに怪異の消化不良と謎解きの穿った解釈の押し付けを感じたので、作者の真骨頂とされる怪談とミステリーの融合ではあるが、怪異をなし崩しにするような謎解きを採り入れたスタンスが作品としてのバランスを悪くしているのかも知れない。後に優秀な拝み屋になる瞳星愛も活かしきれてない様にも思えて残念だ。2025/07/16
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28
読メ献本プレゼント。タイトルは亡者と書いて「ぼうもん」と読む。刀城言揶(とうじょうげんや)は変格推理小説家であると同時に瞳星愛(とうしょうあい)の通う無明大学の非常勤講師であり、全国で怪異譚収集する素人民俗学者でもある。彼の「怪異民俗学研究室」には留守番の小説家志望・天弓馬人(てんきゅううまひと)が、先生から収集した怪談が届くのを待っている。なぜか先生からの手紙は毎回愛に託され、怪談が大嫌いな天弓はその怪談が描かれた手紙から、得意の推理で合理的な解釈を得る。あらすじを書いて終わってしまったではないか!2025/08/10
ダケちゃん
24
三津田先生の怪民研シリーズ、文庫版で再読。 読書メーターさんのキャンペーンでなんと三津田先生のサイン入り版が当たった✨ ほんとに当たったこととそれがホラーの神のサインなことに感動✨ 作品自体は個人的に忙しいのと再読なのとで読むのに時間が掛かってしまったけど改めてホラー描写と謎解き描写のバランス、登場人物の掛け合いなんかが三津田先生の作品って感じで読みやすい。他のシリーズともリンクするので三津田作品の入門書としてもおすすめできる作品。 続編も刊行されたので読みたいところだけど、今回は文庫化まで我慢!2025/08/24
二分五厘
20
無明大学図書館棟地階に存在する、刀城言耶特別講師の『怪異民俗学研究室』「……あそこ、出るらしいよ」通い詰める一回生・瞳星愛(とうしょうあい)。それは言耶の助手・天弓馬人に怪談を語り聞かせ、記録を取らせるため。それは自身の体験だったり、言耶からの手紙だったり。ところがこの天弓、怖がりなもんで、怪談に合理的な解釈をつけまくる。そしてそこは師匠譲りで……。亡者道ですれ違ったのは死者なのか。黄昏時の首無女。腹を裂かれた子供と縮む家。密室の座敷婆。木を上ってくる死体。最後あたり刀城先生面白がってからかってるような。2025/08/25
にゃるび
17
刀城言耶シリーズのスピンオフ的な作品。瞳星愛が言耶の持ち込んだ語りに助手の天弓馬人が合理的な解釈を加えて行く構成。後日談で恐怖も加えていくところは流石だと思った。三津田信三ファンにとっては知っている場所がちょこちょこ出てくるので嬉しい。ラストの2人の正体がまさかあのシリーズにつながるとは…!個人的なお気に入りは『腹裂く孤鬼と縮む蟇家』2025/07/22