内容説明
西行から芭蕉に至る平安~江戸時代を、タブーを無視して縦横に語る。老熟の作家と気鋭の歴史家による刺激に満ちた異端の日本史談義。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
108
嵐山さんと磯田さんが縦横無尽に語り合う。歌枕の旅として奥州藤原氏の諜報活動を行った西行、戦争広告代理店だった連歌師、そして、忍者・隠密説の絶えない芭蕉。彼らの背景に、保元の乱・戦国時代・元禄時代という時代の緊張感があることを理解する。与太話のような暴走発言も飛び出すが、それが刺激的で面白い。小説家の嵐山さんが「光秀は本能寺で比叡山の仇を打った」「西行と鳥羽上皇との男色」「西行の毒薬自殺」などと言うも、学者の磯田さんは「ああなるほど」と受け流すのが狡い。本書の編集者は山本明子さん(ホンダ・アキノ)。流石だ。2025/07/23
sofia
35
西行、連歌師、芭蕉をただの文学者ではなく、諜報活動をしていたと読み解いた本。和歌、連歌、俳句に詳しくないので難しかったのだが、2人の対談はおもしろかった。西行は崇徳院の白峯陵を訪れた人としか知らなかったが、この人ほど、あの時代の流れを中間で感じた人はいないのだろう。出家しなかったら途中で殺されていただろうが。芭蕉も吟遊詩人でありながら、情報も得ていたとは、知らなかった面でおもしろかった。2025/07/15
ユーユーテイン
13
平安末期から江戸時代前期、西行から宗祇、宗鑑、貞徳、芭蕉に至るまでの歴史や文学にまつわる話題が次々に出てきて面白い。西行、芭蕉が日本人に愛されるのは、「うち捨てられた人間に対して、その人のことを思ってあげる優しさ」が通底しているからだろう。また、歌人、連歌師、俳諧師は政治の要人から庶民まで人々の間にすんなり入っていける技(句会で句を書き留めたり、指導をしたり)を持っており、地方と都の情報を交流させる存在であったという指摘は頷けた。特に芭蕉は彼が仕えた藤堂家との繋がりが人生に大きく関わっているようだった。2026/06/28
coldsurgeon
8
旅する歌人・西行、中世期の日本を情報を集め広めつつ旅した連歌師、そして隠密ともいわれた芭蕉、を文学史の視点ではなく、歴史・政治の視点で語る。歴史の流れの中での役割が披露され、とても面白かった。和歌、連歌、俳諧の味わい方が変わるような気がする。配下の見立ての意義が、政治的な意味合いが強いことに気づかされた。2025/06/20
まんむー
6
磯田先生と嵐山さんの対談。平安時代の西行、室町時代の連歌師、江戸元禄の芭蕉。それぞれの人物像、動きを語る。残されている資料をもとに想像を膨らまして語るが、嵐山さんは知識が豊富ですね。掲載されている和歌、連歌、俳句の解釈も読んでいて楽しかった。同じ句でも解釈が違うのが良い句なのかしらね。カエルは飛び込まない。なるほど〜2025/11/24
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