内容説明
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時は過ぎた。
「昭和的センス」から逃れられない、
時代遅れの著者のささやかな抵抗。
辛口にして味わい深い珠玉のエッセイ集。
南伸坊さんによる描き下ろしを含む絵34点も収録。
タイトルレタリング ヨコカク
ブックデザイン 赤波江春奈+日下潤一
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
100
昭和的な人に対する愛惜に満ちた文章の数々。厳密には昭和でない(明治や平成)人物も登場するが、著者にとって「昭和的」というのは、時代区分というより、それで一つの確乎とした雰囲気であり価値観なのだろう。象徴的な存在として、黒澤明さん、山田風太郎さん、小津安二郎さん、三島由紀夫さんなどが何度も登場し、連合赤軍の闘士たちや本田靖春さん、高橋秀実さんなどがそれに加わる。小津さんの映画を倍速で見ようとする若者に苦言を呈するような著者のような年長者こそが、正に「昭和的」なのかもしれない。南伸坊さんの絵も味わい深い。2025/06/26
kinkin
86
著者が感じ取った昭和のエピソード集。映画、漫画、汽車旅、プロ野球選手、渥美清、重信房子、三島由紀夫ほか。黒澤明監督の「天国と地獄」の項に書かれていたのは新幹線の開通する前の年は大阪東京間が6時間少しかかっていたそうである。今は信じられないがそれが普通だったのだ。今ではもう「旅」を鉄道に求めてもそれは「移動」になってしまったと思う。何事もファストが大事な時代が今の時代。オンライン授業で小津安二郎の映画を見ることになった若者が倍速を提案したとも描かれていた。過程より結果重視の時代なのだろう。図書館本 2025/09/06
hasegawa noboru
21
前にも書いたが、著者とは同学年同世代。このエッセイ群で語られる人物やエピソードの八割方はスンナリと思い出せて、腑に落ちる。超高齢化社会の当事者となったかつての若者たちもすかっり年老いた。うるさがられ、うとんぜられ、やがて消えゆくのみの世代だろう。「時は過ぎた」(帯コピー)。”連帯を求めて、孤立を恐れず”なんてカッコいいこと言って、この国に革命なんか起こりはしなかったし、この先起こりもしないだろう。貧乏人家庭の学生が学生運動に巻き込まれるわけにはいかないと、意味は分からなくてもエラそうで強そうな、小林秀雄や2025/06/27
阿部義彦
20
昔中坊の頃、江戸川乱歩の春陽文庫でお世話になった春陽堂書店、まだ有るのですね。失礼!最近読むようになった関川夏央さんの昔を懐かしむエッセイ。谷口ジローさんと組んだ漫画の原作者としてが私の入口でしたが、今回では漫画繋がりの方が良く登場します、ヤマザキマリ、畑中純、狩撫麻礼、大友克洋、その他も自分が好きな文化人(大瀧詠一等)が多く、楽しめました。黒澤明、山田風太郎には拘りがあり複数回触れてます。何よりも南伸坊さんのイラストが新境地、漫画っぽい線画ではなく、濃淡のついたデッサン画みたいで力が入ってます。2025/05/12
まこみや
13
読了2025/06/07
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