生活保障システムの転換 - 〈逆機能〉を超える

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生活保障システムの転換 - 〈逆機能〉を超える

  • 著者名:大沢真理【著】
  • 価格 ¥5,060(本体¥4,600)
  • 岩波書店(2025/05発売)
  • ポイント 46pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000616898

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内容説明

この国の生活保障システムは人びとの命と暮らしを脅かしている.所得再分配後に貧困が深まるという〈逆機能〉の存在を指摘してきた著者が,歴史の検討と各国との比較を通じて「男性稼ぎ主」型システムの問題点をあぶり出し,社会のしくみを歪めたアベノミクスとコロナ対策を徹底批判.転換の方途を提言する.

目次

はじめに これでは持続しない
1 問題の所在
2 貧困事情
3 コロナ禍の死亡事情
4 小 括
序 章 生活保障システムの機能と型
1 定義と課題
2 生活保障システムの型――政策サイクルにそくして整理すると
3 小 括
第Ⅰ部 多様性のなかの日本の位相
第一章 「男性稼ぎ主」型の成立と脆弱性
1 政府側はどう見てきたか
2 「男性稼ぎ主」型システムの形成
3 「男性稼ぎ主」型と大企業本位の淵源
4 大企業本位の設計はいかに適用されたか
5 小 括
第二章 「男性稼ぎ主」型の成果とその推移
1 たかが所得,されど所得
2 所得貧困の推移
3 小 括
第三章 生活保障システムの機能――税と社会保障の累進度に注目して
1 政府税収の状況と推移
2 社会支出の状況と推移
3 小括に代えて――貧困削減率の推移
第四章 投資する国と処罰する国――子どもを産み育てること,就業すること
1 社会的投資パッケージの展開
2 社会的投資アプローチへの批判と反論
3 「男性稼ぎ主」型の強さと社会サービス
4 小 括
第Ⅱ部 アベノミクスを検証する
第五章 生活保障をめぐるビジョンの布置
1 福祉国家の実現から自助自立へ
2 政権危機・経済危機下で「安心」の優先
3 民主党内閣の政策と自民党二棚一棚年綱領
4 小括に代えて――財政健全化への責任感と生活保護バッシング
第六章 アベノミクスはなにをしたのか パートⅠ――社会保障の重点化・効率化
1 生活扶助基準引き下げと子どもの貧困対策法,
社会保障制度改革国民会議報告書
2 一連の骨太の方針と制度改正
3 分配と再分配
4 小 括
第七章 アベノミクスはなにをしたのか パートⅡ――コロナ禍よりもコロナ対策禍
1 コロナ禍が露にした脆弱性
2 コロナ禍への日本政府の対応
3 小 括
第八章 周回遅れから逆走し,苛烈な女性処罰――岸田「新しい資本主義」の実相
1 「新しい資本主義」の変遷――貧困削減をめぐって
2 アベノミクスから離反したのか
3 小 括
終 章 命と暮らしを守る生活保障システムとは
1 「国の奴雁」たちは何を提案してきたか
2 本書の提案

あとがき
引用文献
人名リスト・事項リスト

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Mc6ρ助

17
最初の「はじめに これでは持続しない」だけでお腹いっぱいと思っていたらとんでもない、失われた30年が日本のステイクホルダー達が時代の変化に対応しなかった、いや、時代錯誤な選択を繰り返した結果だと思い知らされる。あげくが日本を戦争をできる国にした人とする国にした人の共演、小泉Son演出の備蓄米放出で天候不順、米不作なんて迷信深くなっていけない。著者がこれだけしっかり対策を提示してくれている、それを実施する政党が今度の参院選で選ばれることを、せめてせめて議論する国会となることを祈念してやまない。これは名著。2025/07/03

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