筑摩選書<br> スピノザ ――「変性の哲学者」の思想世界

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筑摩選書
スピノザ ――「変性の哲学者」の思想世界

  • 著者名:加藤節【著者】
  • 価格 ¥1,925(本体¥1,750)
  • 筑摩書房(2025/05発売)
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  • ISBN:9784480018229

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内容説明

スピノザは、17世紀の他の思想家に比し、人間像と思想像において際立つほど多面的に受けとめられてきた。ユダヤ教会からの「破門」によって始まった「思考する実存」としての生。著作や書簡の読解から浮かび上がる固有の「精神の運動」。それらはどのような思想世界を形づくったのか。本書は、従来のイメージにとらわれることなく、スピノザにおける倫理学と政治学、そして聖書批判の内的連関を見定め、その思想を統一的に描き出す。

目次

本書を導くスピノザの六つの言葉/凡例/プロローグ──スピノザの独自性/第一章 伝説と実像との間/第一節 分岐するスピノザ像/一 人間像をめぐって/二 思想像をめぐって/三 民族的出自をめぐって/第二節 伝説と実像との間──本書の課題と基本的な視座/一 人間像について/二 思想像について/三 ユダヤ人性について/四 本書の課題と基本的な視座/第二章 生の軌跡/第一節 「破門」まで/一 生と思想との連関/二 生の軌跡を辿ることの困難性/三 アムステルダム時代/第二節 破門以後/一 「破門」後の動向/二 レインスブルフ時代/三 フォールブルフ時代/四 スピノザの時代のオランダの歴史状況/五 ハーグ時代/第三章 倫理学──形成と展開/第一節 「精神の運動」──方法の問題/一 「破門」体験──「精神の運動」の起点/二 「認識」問題──「精神の運動」の第二の展開/三 倫理学から政治学へ──「精神の運動」の第三の展開/四 聖書批判──「精神の運動」の第四の展開/五 方法の問題/第二節 倫理学の展開とその問題性/一 倫理学の始点──『改善論』と『短論文』/二 倫理学の構造と展開/三 スピノザ倫理学の構造的な問題性/第四章 政治学──形成と展開/第一節 論点の整理/一 「変性の哲学」としての近代哲学──スピノザの場合/二 スピノザ政治学の構成/第二節 政治的共同体の形成/一 倫理学の概念の政治学的再規定/二 人間の自然状態──存在論の優位/三 人間の「変性」と「政治状態」の成立/四 社会契約説の採用と特質/第三節 政治的共同体の「目的」/一 三つの問題/二 政治的共同体の目的としての「安全と平和」/三 各政体をめぐる機構論の展開/四 「政治的共同体の基礎」/五 政治的共同体の目的としての「自由」/第五章 聖書批判の展開/第一節 論点の整理/一 求められる視点/二 スピノザは何をしようとしていたか/第二節 哲学と信仰=神学との分離/一 分離の原理/二 「聖書の神聖性」/第三節 聖書解釈の批判的方法/一 聖書批判の方法/二 特質と方法的手続き/第四節 聖書解釈の展開と「変性」の企図への隘路/一 「神学者たちの偏見」を打破するために/二 「無神論者」との非難を排撃するために/三 「体制宗教」の強制からの「自由」を確保するために/エピローグ──スピノザからのメッセージ/あとがき──スピノザをめぐる研究私史からの断想/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

amanon

3
理解の程は怪しいが、一読して力作だと感じた。また、哲学プロパーではなく、政治思想という立場から書かれたスピノザ論というのもユニーク。それから、ほぼどの解説書を読んでもそこで描かれる、スピノザの生涯は何とも言えず人の心を打つのと共に、彼の生涯に多くの謎と空白が存在するのに、非常なまでのもどかしさを覚える。それから、本書の白眉はやはり『神学政治論』について論じた第五章だろう。そのラディカルさ、当時における危険性はある程度知っていたが、今回生命を危機にさらしているとしか思えないその内容に改めて驚愕させられた。2025/10/25

Go Extreme

2
https://claude.ai/public/artifacts/5b5a5a82-a635-4d9f-8643-e8b0eaa8cb3b 2025/06/11

森中信彦

0
スピノザについては、『エチカ』という著書を書いた哲学者として、その名前を知っている程度だったが、ユダヤ協会から破門にされたユダヤ人であることを知り、ユダヤ性から自由になろうとしたユダヤ人としては最初期に生きた人と言えそうなので、このスピノザの解説書から読んでみることにした。  破門の理由は、「魂の不死性とユダヤ教の律法の真実性を否認し、「哲学的な」神しか存在しないと主張した」とのこと。これは彼が23歳のときで、「肺疾患という宿痾に長く苦しんだ末に44歳という若さでその一生を閉じた」という。 (続く)2025/08/22

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