内容説明
近代日本の思想史に映し出された中国像とはどのようなものだったのか。本書は、江戸時代の儒者や国学者らの中国観から、明治維新・日清戦争を経て、民族を超えた全体を目指す東亜協同体論が構想されるまで、代表的人物に寄り添いながら、中国理解の変遷や思考のありかたを追う。畏敬や脅威、軽侮という感情の振幅のなか、他国を正しく認識しようと苦闘した日本人の足跡。そこから、われわれは何を学べるだろうか。国家を超えた理念を呈示することはできるだろうか。日中関係史の精緻な考察は、いまもって喫緊の課題である〈他者理解〉に向けて読者の再考を促す。学殖溢れる渾身の思想史講義。
目次
第一章 「中華」帝国と「皇国」/I 「亜細亜」および「東洋」という呼称について/II 近世日本の儒学と中国/1 徳川幕府と朱子学/2 古学派の台頭と徂徠学/3 儒者たちの中国/III 国学者たちの中国観/IV 華夷思想からの離脱/V アヘン戦争の思想的意味/第二章 「文明」の影で/I 明治前半期の中国認識──その三つの類型/1 政治の視点から/2 文化の視点から/3 軍事の視点から/II 日清連帯論をめぐって/1 日清提携の構想/2 日清提携に批判的な議論/III 福沢諭吉の「脱亜論」について/IV 中江兆民と中国/第三章 日清戦争と西洋列強の中国進出/I 日清戦争と中国認識/1 日清戦争の背景/2 新旧文明の衝突/3 勝海舟と日清戦争/II 列強の帝国主義と中国/1 分割の危機にあえぐ中国/2 日清戦後の中国論/III 中国保全論/IV 岡倉天心のアジア観/第四章 中国革命への視線と対応/I 辛亥革命と宮崎滔天/1 宮崎滔天と孫文/2 中国革命への道/3 共和国の誕生をめぐって/II 北一輝『支那革命外史』について/1 初期の国家論──『国体論及び純正社会主義』から/2 中国革命への思想的立場/3 「東洋的共和政」について/III 大正デモクラシーと中国(一)──吉野作造/1 吉野作造にとっての中国/2 初期の中国認識/3 第三革命と新しい中国論の形成/4 抗日運動への視線と「満蒙問題」/IV 大正デモクラシーと中国(二)──石橋湛山/1 その思想的特色/2 大日本主義との対決/3 日本の対中政策について/第五章 「東亜協同体」論をめぐって/I 背景としての日中戦争/II 「東亜協同体論」の提唱──訒山政道/III 東亜協同体論と新しい全体主義──三木清/IV 東亜協同体と東アジアの統一性について/V 尾崎秀実の東亜新秩序論/終章 結び/I 蔑視の思想/II 正しい中国認識に向けて──「軽蔑する方法」の克服/III ヨーロッパ的世界との対決/参考文献/あとがき/文庫版あとがき
感想・レビュー
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さとうしん
aeg55
Go Extreme
tkm66
放伐




