内容説明
思想家・内田樹が紡ぐ25のエッセイ。インプットの方法、アウトプットの原則、学術の意味、複雑化する社会での教育、若い読者へのメッセージまで、知性の本質を縦横無尽に展開する。学問と実践、リベラルと保守、知性と宗教――対立するように見える概念の間を自在に行き来する内田哲学の真髄がここにある。混迷の時代を生き抜くための知の在り方を示し、現代人凝り固まった常識を打ち砕いてくれる一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
66
内田樹先生の著作は、いつも知的刺激と思索(どこまで深くできているかは・・)の時間を与えていただける。どのテーマもナルホドの連続である。その中で、本のタイトルでもある「知性について」を考える節があった。「知性的な人」「知性のある人」とは、どういう人であるかという内容で、なるほどその通り!わが意を得たりと膝を打った。周囲の人をどう巻き込み、考えてもらい、声を出してもらうか・・・ここに尽きる。ある意味ではファシリテートすることでもある。また、声を形にすることまで付き合うことでもある。2025/07/23
ムーミン
38
深い。どこまでも考えられる、わからなくてもわからないまま、わかろうと考え続けることができる内田先生の文章は好きです。2025/08/15
ta_chanko
31
「知性」とは。メンター(先賢)に出会い、学べる限りのことを学ぶ。何かよく分からなくても、自分宛てのメッセージを直感的に感じ取り、分からないままに模索する。「分からない」という負荷に耐える。「間違っているかもしれない仮説」のほうが科学的。武道的にも学問的にも、その場に居着いてはならない。変化を怖れてはいけない。「母語の檻」から外に出るために外国語を学ぶ。人間が理解できる範囲を1mmずつ押し広げる。どうすれば集団(仲間・日本人・人類)の知性が最大化するか考える。自分以外に誰もやりそうもない仕事をする。2025/11/24
おさむ
31
韓国の読者からの質問に内田センセイが答える趣向。日本人と異なり、ストレートな質問も多かったりする。とはいえ、答えはブレません。自分にはわからないことや共感できないことを喉に刺さった魚の小骨のように気にかけ続ける。知性とは集団的に発現する。自分らしさに居着いてはならない。読書肺活量が少ないと、自分でもわかる事を探し出してつまみ食いした要約する。ややこしい話を書く場合は自分のヴォイスで語ることが必要。無心になれば、枠組みが無効になる。「最も重要なのはあなたの心と直感に従う勇気」には若い頃に出会いたかったなあ。2025/06/18
江口 浩平@教育委員会
29
【思想】内田樹先生の新刊ということもあり、タイトルに惹かれて手に取った一冊。韓国の若者からの質問に答える形で、自伝のように自らの学びの遍歴を答えているところが興味深かった。内田樹先生の師弟論や学習論の根底にあるものを知ることができると同時に、自分もどのようにこれから学んでいくか考える契機となる一冊であると思った。2025/06/08




