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内容説明
2022年以降、小中高生の自殺者数が3年連続で年間500人を超え、2024年は過去最多となった。大人の自殺者数が減少傾向にあるなか、なぜ子どもの自殺だけが増え続けているのか。虐待、市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)、いじめ、「指導死」…。長年にわたり、生きづらさを抱える子ども・若者たちのリアルな声に耳を傾けてきたフリーライターが、その背景を詳細にレポート。こども家庭庁の設立など日本がとってきた政策史もたどり、対策の課題を考察する。いま知るべき現実が詰まった必読の一冊!
目次
序章 子どもの自殺者数はなぜ過去最多を記録したのか
第1章 こども家庭庁と自殺対策室
第2章 虐待と自殺
第3章 市販薬依存と自殺
第4章 社会問題化したいじめ自殺
第5章 不適切な指導による自殺
第6章 子どもの自殺政策史
終章 子どもの自殺を止めるために何ができるのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
にゃにゃころ
13
子どもが死にたいと思うほど苦しみ、実際に命を絶ってしまうこと、考えただけでもしんどい。まぁ、大人が平気でいじめみたいなことやってるし、感情で子どもに暴力振るったりしてるし、学校も保身しか考えていないし、居場所がなくて死にたくもなるよなぁ。こども家庭庁もピント外れなことばかりに予算を使っているし、自殺に関する統計すらきちんととれない先進国なんて日本くらいでしょ。子どもの貧困も民間任せの子ども食堂を政府が褒めてるって恥ずかしい。どうしても政府批判になってしまうけど、国が本腰を入れてやらないと自殺は絶対減らない2025/08/21
澤水月
9
此岸にとどまれたか否か、齢重ねた自分と髪一筋の差もなく思えた。徹底的に統計・数値で可視化図る。いじめが最悪の結果生む可能性・そもそも子どもの人権がごく最近まで認識されていなかったと…。トー横心中は他の書でもトピックになっており後に(負の)エポック画する事案になりそう。読了5/312025/06/01
coldsurgeon
8
日本人の自殺者数は減少傾向だそうだが、こどもの自殺者数は増加しているという。「生きづらさ」という言葉でひとくくりにしてはいけないだろうが、様々な要因で命を絶つ子供のことを考えると悲しい。増加している理由をいくつか取り上げ、課題を一般化することで、社会的な解決が生まれるといいが、やはり最終的には個別で解決しなければならないのだろう。2025/08/15
てくてく
8
自殺やネットが関わる事件(闇バイトなど)の著作を持つ方によるルポタージュ。薬物問題でも近年若年層で問題が深刻化しているODや学校教員などの不適切な指導が引き金となった「指導死」など、子ども・若年層の自殺に関する事件や政府側の対応(子ども家庭庁の対応は不十分であることも含め)を概観しているので、このテーマについて知ろうとすれば役に立つ一冊。そしてここでも実親や兄弟による性的虐待が出てきており、そもそも家庭・家族が安心できる場所と考える甘さを認識した。2025/07/09
yunyon
4
もう日本の家庭は、自助努力でなんとかなる段階は越えていることを自覚して、外へ外へと助けを求めていくしかないと思う。同じく、学校も学校内で何とかできないと受け入れ、暴力行為や、性犯罪、金銭問題などは速やかに警察や弁護士等の専門家を入れて、いろいろな問題を日の当たる場所で、多くの人の目に触れ耳に入れ、当事者の命を守ることを何より一番に考えていくほかないと…。2025/06/06