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内容説明
1975年4月30日。かつて「アメリカ史上最長の戦争」だったヴェトナム戦争が、大きな挫折に終わった日から50年。その一部は新たな「最長の戦争」となったアフガン戦争終結までの日々とも重なる。ケネディ政権時代に始まり、ニクソン/フォード政権期に終わったはずの戦争は、その後も長く遺恨を残していまに至る。ふたつの「いちばん長い戦争」のあいだに起こったことは何か。そこで残されたものは何か。現代アメリカの「分断」の源流をたどる、新たな視角から直視したアメリカの政治文化と社会の現代史。
目次
プロローグ
第一章 始まりのない戦争
第二章 闇のなかの星条旗
第三章 病の幻影
第四章 擬制と神話
第五章 巨頭の影のなかで
第六章 終わりのない戦争
エピローグ
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
70
タイトルは著者の元々の専門であるベトナム戦争から来ているが、当然それより長いアフガニスタン侵攻も同じく示す。それを象徴的に表しているのが、サイゴン陥落とカブール陥落の際のアメリカ大使館員らのヘリコプターでの脱出劇だ。このベトナム戦争から現代までのアメリカの政治史を、戦争をひとつの指標にしながら描く。大統領を始め多くの政治家、軍人についても語られており、この時代の見取り図として読むことができる(実際冒頭にコンパクトな略年表がある)。一方で人物の取り上げ方など、著者自身の関心を整理しているような印象もあった。2025/07/30
鯖
21
Xで現代の「奇妙な果実」の記事を見てしまい、どんよりしながら読む。実質アメリカの敗戦で終わったベトナム戦争終結から50年の同時代史。アフガニスタンも含め、そこに従軍した兵士たちを国家は守ってくれなかったという矛盾。カーターがリベラルと保守のハイブリッドだという主張はほーとなった。今は何でも両極端に走りすぎなんだよな…。911の新聞記事の見出しが「BASTARS!(なんてこった)」と写真だけで事件のあらましすら分からなかったというのに驚いた。つべのショート動画だけで投票先を決めちゃうのもこれなんだろな…。2025/09/20
羊山羊
18
本著は、アメリカがヴェトナム戦争を通じて、いかに深刻な社会的分断を抱えるに至ったかを描いた作品だ。また、アフガニスタン戦争という現代のもう一つの敗北にも触れ、戦争と社会の関係を問い直している。本書の中核にあるのは、「現場と非現場の分断」という視点だ。太平洋の向こう側で展開された戦争は、正規の戦争ではなく、南ヴェトナム軍の支援という形で始まりながら、終わりの見えない消耗戦へと拡大した。兵士たちは、心に深い傷を負って帰国し、それにもかかわらず反戦派から非難されるという二重の苦しみを味わった。→2025/07/31
ジュンジュン
15
ヴェトナム戦争の記憶がその後のアメリカ社会に与えた影響を考察していく。このアプローチは歴史社会学っていうのだろうけど、正直、合わない。ただ、9・11以降イラク戦争へ至る道は僕にとっても同時代だったので、その時のショック状態というか反論を許さない雰囲気はよく分かった。2025/10/03
アーク
4
アメリカって戦争に負けたことがない国のイメージがあったけれど、さにあらず。ベトナム戦争やアフガン紛争など、アメリカが実質的な敗戦国になった戦争について本書は詳細に解き明かしていた。そしてその陰に隠れた兵士たちの苦悩にも迫ってみせる。アメリカは基本的には右寄りの国なんだろうけど、国家がそのために戦った兵士たちを護ってくれなかったというのも皮肉ではあるな。2025/08/07
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