内容説明
大手フランチャイズ加盟のコンビニ店主・柳田克己は、「万引き犯など最低の人間」という信念を持ち、「万引きをさせない」のではなく、決して見逃さず「捕まえる」ことにしていた。ある日、克己は菓子パンを万引きした男を捕まえようとしたが、もみ合ううちにその男を死亡させてしまう。そして克己は逮捕され、人生は暗転していく。一方、児童養護施設で暮らしていた頃に万引きで捕まった過去を持つミチル。彼女はバイトを掛け持ちしながら必死に一人で生きていたが、コロナ禍の「シーセッション(女性不況)」で仕事を次々に失い、現在は違法メンズエステ店で働いていた。必死に生きながら、自分の夢の実現を目指す彼女は時折思うことがある。あの日、捕まっていなければ。そんな二人が、ある事件を契機に巡り会うことに……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
250
王様のブランチBOOKコーナーで紹介されたので、読みました。丸山 正樹 、2作目です。本書は、家族崩壊社会派イヤミステリの秀作でした。タイトルのイメージと内容にギャップあり過ぎですが、これが今の世相を反映した作品かも知れません。 http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=6535 【読メエロ部】2025/08/06
おしゃべりメガネ
192
本作の丸山先生もなかなか攻めてます。万引き犯を執拗に追うコンビニ店長「柳田」、優等生ながら歪んだ欲望から万引きを繰り返す女子高生「ミチル」、そんな二人がとある事件を経てつながるコトになり事態は思わぬ展開へ。生活困窮と児童養護施設をテーマに犯罪者の執行猶予、更正をシリアスに綴る作者さん、さすがな内容でした。それにしても作者さん、ホントよく調べてますよね。全体的にはヒューマンミステリーの路線でしたが、どんどんページを捲る手が止まらなくなり、ラストまでイッキ読み必至です。ちょっと後半は急いだ感があるかもですね。2025/06/17
いつでも母さん
169
いやぁ・・終盤、第四章の後半が急展開でバタバタな感じが惜しい。エピローグ含めもう少し読ませてほしかったかな。というのが読後の正直な気持ち。まさか捕まえた万引き犯が亡くなりその動画を拡散されることから物語は始まるのだが、もう色々てんこ盛りで口の中が不快感でざらつくのだ。多分その泥沼から抜け出せない人間はいるのだろう。顔が見えないから、手を変え品を変え好き勝手に誰かを貶める輩も無くならないだろう。恵が信じる「青い鳥」で結ぶのはちょっと強引な感じがするのは私だけか。それでも希望は必要だ!2025/06/05
fwhd8325
166
現代社会ならではの設定、展開を楽しませてもらいました。後半が予定調和的な展開になってしまったのは少し残念。この時代、ネットの拡散が人生を大きく左右してしまう。そんな恐怖も伝わってくるし、一方で這い上がるために犠牲にしなければならない人生。誰もが優位に立とうとする社会の姿は、本当に恐ろしい。2025/08/12
ムーミン
146
今作もとても読みやすい文章でした。現代社会が抱える、答えが出しづらい問題に向き合いながら、自分ならと立ち止まって考えながら読ませていただきました。2025/08/01




