青い鳥、飛んだ

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青い鳥、飛んだ

  • 著者名:丸山正樹【著者】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 角川春樹事務所(2025/05発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784758414838

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内容説明

大手フランチャイズ加盟のコンビニ店主・柳田克己は、「万引き犯など最低の人間」という信念を持ち、「万引きをさせない」のではなく、決して見逃さず「捕まえる」ことにしていた。ある日、克己は菓子パンを万引きした男を捕まえようとしたが、もみ合ううちにその男を死亡させてしまう。そして克己は逮捕され、人生は暗転していく。一方、児童養護施設で暮らしていた頃に万引きで捕まった過去を持つミチル。彼女はバイトを掛け持ちしながら必死に一人で生きていたが、コロナ禍の「シーセッション(女性不況)」で仕事を次々に失い、現在は違法メンズエステ店で働いていた。必死に生きながら、自分の夢の実現を目指す彼女は時折思うことがある。あの日、捕まっていなければ。そんな二人が、ある事件を契機に巡り会うことに……。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

208
王様のブランチBOOKコーナーで紹介されたので、読みました。丸山 正樹 、2作目です。本書は、家族崩壊社会派イヤミステリの秀作でした。タイトルのイメージと内容にギャップあり過ぎですが、これが今の世相を反映した作品かも知れません。 http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=6535 【読メエロ部】2025/08/06

おしゃべりメガネ

166
本作の丸山先生もなかなか攻めてます。万引き犯を執拗に追うコンビニ店長「柳田」、優等生ながら歪んだ欲望から万引きを繰り返す女子高生「ミチル」、そんな二人がとある事件を経てつながるコトになり事態は思わぬ展開へ。生活困窮と児童養護施設をテーマに犯罪者の執行猶予、更正をシリアスに綴る作者さん、さすがな内容でした。それにしても作者さん、ホントよく調べてますよね。全体的にはヒューマンミステリーの路線でしたが、どんどんページを捲る手が止まらなくなり、ラストまでイッキ読み必至です。ちょっと後半は急いだ感があるかもですね。2025/06/17

いつでも母さん

162
いやぁ・・終盤、第四章の後半が急展開でバタバタな感じが惜しい。エピローグ含めもう少し読ませてほしかったかな。というのが読後の正直な気持ち。まさか捕まえた万引き犯が亡くなりその動画を拡散されることから物語は始まるのだが、もう色々てんこ盛りで口の中が不快感でざらつくのだ。多分その泥沼から抜け出せない人間はいるのだろう。顔が見えないから、手を変え品を変え好き勝手に誰かを貶める輩も無くならないだろう。恵が信じる「青い鳥」で結ぶのはちょっと強引な感じがするのは私だけか。それでも希望は必要だ!2025/06/05

しんたろー

136
万引き犯を過失で殺したコンビニ店長・柳田と、施設出身の違法メンズエステ嬢・ミチルの二人を軸にしたサスペンス…障がい者を扱った作品が多い著者だが、本作ではそれに殆ど触れず社会的テーマで物語を紡いでいる。己の正義が必ずしも法律的には正しくない事は身に覚えがあるので、柳田の苦悩や葛藤が痛いほど伝わって来た。ミチルは若い女性だけに、オジサンには多くの共感はできなかったが大体は理解できたと思う。先が気になる展開で、読み手に「あなたなら?」と問いかけてくる内容も巧い。結末がアッサリな印象で物足りなかったのだけが残念。2025/07/17

ちょろこ

130
万引き事件を主軸に描かれる苦しみの一冊。万引き犯を捕まえた側、捕まった過去を持つ側、それぞれのその後の人生は終始重苦しく、あの時がなかったらと心添わせずにはいられなかった。勝手に拡散され色付けされ貼らていく社会からの負のレッテル。それを剥がすのにどれだけの時間が必要か、選択肢が狭まる過酷な仕事、夢のための姿、戒めと希望に揺れる青い鳥になんだか泣けてきた。人の数だけある定義のない正義についても考えずにはいられない。一つ思うのは正義はただふりかざせばいいものではない。寄り添う気持ちあってこその正義が大切だと。2025/07/21

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