文春e-book<br> ヨシモトオノ

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文春e-book
ヨシモトオノ

  • 著者名:吉本ばなな【著】
  • 価格 ¥1,700(本体¥1,546)
  • 文藝春秋(2025/05発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163919843

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内容説明

吉本ばなな×「遠野物語」が人生に光を灯す

ヨシモトオノとは、吉本ばなな×「遠野物語」!

日常にふと口をあける世界の裂け目。
生と死の境界がゆらぐとき――心に小さな光を灯す物語たち。

 天井の木目に小さな顔があった。何度見ても顔だった。知らないおじさんの顔。
 木目って人の顔に見えるよなあ、小さいときも風邪を引くと木目がいろんなものに見えたな、と思ったら、そのおじさんがにやりと笑った。こちらの考えを見透かすように。(「思い出の妙」より)

民俗学者・柳田國男が地方の不思議な伝承を集めた不朽の名作「遠野物語」。
これは「不思議と言えば不思議で、そうでもないと思えばそれっきり忘れてしまう」小さなエピソードを集めた「吉本ばなな版遠野物語」!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ

235
不思議な夢を見たことは誰にでもあるだろう。それはこれから起こることを伝えるためか、それとも未練なのか、心を整理するための行いでもある。現実では起こるはずのないこと、見えないはずのものが見えたとして、それは恐怖なのだろうか。会えない人に会えるという希望でもあるだろう。私たちは当たり前の日常の中で大切なことを忘れてしまうときがある。肉体があるからここに存在しているのに。人生の歯車が少しでも狂うと悲哀が襲う、吉本ばななさんの救われる怪談話は一つだけ実話であるという。誰もが戻れない道に微かな望みを探し続けている。2025/05/03

starbro

191
吉本 ばななは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、著者版遠野物語、幻想譚短編集、怖さは控え目です。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639198432025/06/03

hiace9000

135
盂蘭盆会、"生と死の境が揺らぎ、両岸を回廊でつなぐ"日本古来の風習。それを狙って読まれも面白いのではーと司書さんからおススメされた今作。実にタイムリー。美しく、どこか物悲しく、しかし長い目で見たら人生に少しだけ光を与えてくれるような奇譚・怪談は、吉本版『遠野物語』。スピリチュアルとは無縁で興味薄なわたしでも、こういうことって日常のどこかであるのかも…、もしかしてあったかも…となる。ちょっとした心のつながりや見えない縁の起こす偶然とは思えぬ"飛躍"との遭遇ー。それらか浮かび上げる儚くも優しい空気感をどうぞ。2025/08/14

ちょろこ

133
不思議が沁み入る一冊。ばななさんによる現代版「遠野物語」ということで興味津々。怖さというよりも不思議な出来事と優しさが入り混じった世界観は忘れがたい言葉と共にまるで水のように自然に身体に沁み入ってきた。そして最後にそっと背中に手を当てられるような温かさもきちんとあって、後半は特にそれを強く感じたかな。"花を見にきてる"という言葉がいい。ストンと心の定位置に収まってなんだか泣けてきた。花を咲かせたい。自分も見たい。彼岸と此岸のたゆたい、決して遠くはないお互いの想いの距離に心を慰められる感覚もとても良かった。2025/08/25

buchipanda3

100
吉本さんが語る奇譚集。あとがきでそんなに怖くないと予防線を張っているが、内面的に心にスッと触れてくるような、後々まで痕跡が残るような畏怖を感じた。奇異な出来事と人との関係の描き方にも独特な味わいがあった。人はいつしか無垢さを忘れる。理詰めが占める世の中で、条理だけに囚われると自らを苦しめることがある。そんな時、理屈に合わないことが救ってくれることも。小さな自分に気付き、潔く生きることを思わせる。この世に、花を見にきてるという言葉も何か良い。どの篇からも優しさと祈りという実直な愛に満ちた想いが伝わってきた。2025/07/15

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