増補改訂版 エスニシティ〈創生〉と国民国家ベトナム - 中越国境地域タイー族・ヌン族の近代

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増補改訂版 エスニシティ〈創生〉と国民国家ベトナム - 中越国境地域タイー族・ヌン族の近代

  • 著者名:伊藤正子
  • 価格 ¥5,280(本体¥4,800)
  • 三元社(2025/05発売)
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  • ISBN:9784883035564

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内容説明

2004年東南アジア史学会賞受賞作の増補改訂版。タイー族・ヌン族はいかに少数「民族」、ベトナム「国民」となっていったのか。

※2022年12月刊行の増補改訂版 エスニシティ〈創生〉と国民国家ベトナム――中越国境地域タイー族・ヌン族の近代 に若干の追加と付している。

目次

凡例ii
地図iii
 ベトナム全土
 ランソン省
 ヴァンラン県
 タンラン社
写真vii

序 論 1
第1節 本書の目的  2
第2節 本書の構成  7
第3節 ベトナム少数民族政策の概観  10
第1項 前近代王朝の周辺諸民族との関わり/10
第2項 インドシナ共産党成立後の少数民族政策/12
第3項 冷戦期の少数民族政策/13
第4項 1990年代以降の少数民族政策/14
第4節 タイー族・ヌン族概況  15
第5節 研究の方法―フィールド調査の位置づけ  18
第6節 調査地(ランソン省ヴァンラン県タンラン社)の概要と位置づけ  21
第7節 研究史  23
第1項 タイー族・ヌン族に関する民族学及び歴史学研究/23
第2項 壮族研究/26
第3項 ベトナム少数民族政策史研究/31
序論 注/33

第I部 王朝・植民地支配期の“トー”・“ヌン”  47

第1章ベトナム王朝とフランス植民地支配  49
第1節 阮朝以前―ランソン省の土司とその起源  49
第2節 阮朝―土司制度から流官制度へ  51
第1項 阮朝の少数民族政策/51
第2項 阮朝期のトアットラン州(ヴァンラン県)の土司/53
第3節 フランス植民地支配  54
第1項 植民地統治と土司制度の衰退/54
第2項 フランス植民地支配期のトアットラン州(ヴァンラン県)/56

第2章タンラン社入植の歴史と“トー”・“ヌン”の成立  61
第1節 各一族の入植と家譜  61
第2節 地簿  65
第1項 地簿の概略/65
第2項 社の境界/67
第3項 土地所有状況/68
第3節 現在の集落別居住状況〔2000年代初頭時点〕  69
第4節 葬儀助け合い組織フェ  72
第1項 フェの仕事/72
第2項 フェの組織原理/74
第5節 社の俗例(郷約)  76
第6節 “トー”と“ヌン”の相違  78
第I部 注/83

第II部  革命運動とタイー族・ヌン族の貢献  99

第3章 抗仏期  101
第1節 革命世代の変遷  101
第1項 第1世代 ホアン・ヴァン・トゥとルオン・ヴァン・チ/101
第2項 第2世代 ホアン・ヴァン・キエウ/106
第2節 タンラン社でのベトミン運動  110
第1項 日本軍の北部仏印「進駐」と村人の秘密活動/110
第2項 革命政権の樹立/112
第3項 ナーサムの解放とベトミン運動の発展/114
第4項 フランスの復帰とホイホアン社への避難/115
第3節 村人の抗仏戦争への貢献  116
第1項 タンラン社での抵抗/116
第2項 辺境戦役/117
第3項 村人の活躍/118

第4章 抗米期124
第1節 タイー族の活躍―自治区の指導者として  124
第1項 越北自治区/124
第2項 他の自治区/127
第2節 村人の抗米戦争への貢献  129
第II部 注/135


第III部  土地政策と土地所有  143

第5章 合作社の設立と解体146
第1節 八月革命期の土地分配  146
第2節 民主共和国期の土地改革  147
第1項 「民主改革」/147
第2項 互助組の成立/147
第3節 合作社化の進展  148
第4節 合作社解体と「小作人」の再出現  150
第1項 土地取り戻しと合作社解体/150
第2項 土地争いの発生/152
第3項 土地なし農民と小作人の再出現/154
第4項 「先祖の土地取り戻し」の背景―伝統的な土地所有/155

第6章 自由移住の出現  157
第1節 国家の人口再配置計画  157
ほか

感想・レビュー

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BLACK無糖好き

18
ベトナム山間部東北地方の中越国境地帯に居住する少数民族、タイー族・ヌン族に焦点を当て、ベトナム近代国家の建設過程において新たなエスニシティが創生されていく様を描く。また、国境を挟んだ中国側には、同民族である壮(チワン)族がいて、この三民族を合わせると2000万人ほどの人口になるようだ。中国の文革時の壮族のベトナムへの避難、中越戦争、国境での密貿易など、中国との関係におけるタイー族・ヌン族の内実はとりわけ興味深いものがある。◆こういう貴重な研究成果をきちんとアップデートして増補改訂版を出すのは意義深い。2023/08/22

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