創元推理文庫<br> 英国幽霊屋敷譚傑作集

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創元推理文庫
英国幽霊屋敷譚傑作集

  • ISBN:9784488584108

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内容説明

英国では奇妙なことに幽霊が居着いている物件ほど高く評価される傾向にある。殺人や凶事が起きた建物を巡る趣味もあり、幽霊は現在でも英国人の親しき隣人である――夫を裏切った末悲惨な最期を遂げた若妻の亡霊の出没する邸宅、館主の宴を訪れた黒衣の婦人の呪いが破滅を招くゴシック譚、田舎の農場屋敷に雇われた家庭教師が耳にした一族の愛憎劇に由来する幽霊騒動など、多彩な13篇を厳選し、収録する。ヴィクトリア朝の精華たる美しくも恐ろしいホーンテッド・マンション・ストーリーをご堪能あれ。/【目次】●英米・女流「幽霊屋敷」競作 「幽霊屋敷」エマ・ホワイトヘッド/「幽霊屋敷」マーガレット・ヴァーン/●ふたつの「開いた扉」競作 「開いた扉」シャーロット・リデル/「開いた扉」マーガレット・オリファント/●幽霊談義小説競作 「ブレイクスリー屋敷の幽霊談議」ウィリアム・マッドフォード/「奇談の屋敷」アンドルー・ラング/●J・E・プレストン・マドックの二屋敷 「バロカン屋敷の幽霊」J・E・プレストン・マドック/「ライスリップ僧院屋敷(アビー)の幽霊」J・E・プレストン・マドック/●応報と理不尽 「パディントン領主屋敷(マナーハウス)の幽霊」チャールズ・オリア/「ヨークシャーの幽霊屋敷」ダドリー・コステロ/「農場屋敷(グレインジ)の幽霊」フランシス・ブラウン/●異色競作 無名作家と巨匠 「岩礁の幽霊灯台」チャールズ・F・F・ウッズ/「ゴアズソープ屋敷の幽霊選び」アーサー・コナン・ドイル/編者あとがき――幽(かそ)けき扉、霊への階(きざはし)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

sin

56
タイトル通り英国の幽霊屋敷譚傑作集であるが、屋敷の構造になぞらえて各作品を配置する趣向がなされているので、読者はそれぞれの戸口に立って幽霊譚に遭遇する。英国では由緒ある屋敷に幽霊は付き物のようだが、大抵の物語の当事者は科学的な観点から物事を判断出来る理知的な人物のようで⋯「幽霊だって?」笑いながらそう声をあげるように懐疑的だが、その態度自体読者に幽霊と云う存在の信憑性を印象づけるテクニックに過ぎないので、いざ怪異に遭遇した後を含めて、話は代わっても当事者たちを類型的に感じさせてしまうように思えてならない。2025/08/05

くさてる

19
ヴィクトリア朝の英国を舞台に掻かれた幽霊屋敷ものアンソロジー。いかにもヴィクトリア朝の英国の怪奇譚で、どれも違う作家の作品で展開もそれぞれなのに、古めかしく優美な雰囲気は共通していて、そこが良かった。と思っていたら、最後のコナンドイルだけ現代的なユーモアがあふれていてそこが良かった。こういうところが現代でもドイルが読まれている理由かなあと思ったりしました。2025/10/15

翠埜もぐら

19
幽霊話・恐怖話が好きなのですが、ビクトリア朝の古色蒼然とした「屋敷」での話が一番好きなのかもしれません。妙な言い回しですが、一番安心して読んでいられる。幽霊話は因果応報がつきものですが、山中だったり船だったりだと逃げられない。「屋敷」だととりあえず逃げ出せば何とかなる?アクティブではないむしろそこに囚われているパッシブな幽霊達。でもたまに幽霊ではなく詐欺師も出るのね。「ゴアズソープ屋敷の幽霊選び」ドイルのこう言うユーモアって好きだわぁ。2025/08/31

おだまん

13
ヴィクトリア朝イギリスのホラーアンソロジー。作者も作風も色々ですが、ゴシック風なのがやっぱり好き。当時の雰囲気が味わえる。現代に繋がる西洋の幽霊なんだなぁ。唯一名前を知っていたドイルの力量はさすがだとあらためて。ササッサ谷の怪に載っているとのことなのでそちらも読んでみたいと思う。2025/08/16

まさ☆( ^ω^ )♬

12
19世紀の英国で書かれた、幽霊屋敷を舞台にした幽霊譚の短編集。様々なテーマで短編が2作以上選定されており、読み比べの楽しさがあった。応報と理不尽というテーマで選出された三作が面白かったかな。たまたまそこに居合わせただけなのに祟りにあってしまう理不尽な展開がホラーの王道というか、避けられない怖さみたいなものを感じる。それにしても、この時代の小説は情景描写が細かくて読むのに集中力がいる。現代のエンタメ系の小説がいかに読み易いかが良く分かる。その分じっくり読もうと意識するので、読了した時の満足度が高いのだ。 2025/08/04

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