内容説明
ある日、アメリカ各地の9人に、自分の名を含む9つの名前だけが記されたリストが郵送されてくる。差出人も意図も不明。受け取ってすぐに捨てた者もいた。だがその後、リストの人々が次々と死に始める。まずホテル経営者の老人が溺死。そして翌日、またひとり、男性がランニング中に射殺される。FBI捜査官のジェシカは、残りの人々の特定を進める。自分も、死んだふたりと同じリストを受け取っていたのだ。次は誰が殺されるのか? 職業も居住地も違う9人のつながりは何なのか? 驚愕の展開の連続で読者を翻弄しつづける極上のサスペンス!/解説=古山裕樹
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケンイチミズバ
79
歪んだ考えから、勝手な理屈で他人を巻き添えに死なせてしまう、現実にもある惨劇だな。犯人は財力があることから入念に準備計画し、狂ったテミスのように自分を主人公に仕立てる。その身勝手な行為は後々のため遺書的に書き残されヒントとなる書籍に挟んでおくなどまさに劇場的です。宛名のない郵便物、9人の人名だけのリストが届くことから物語は始まります。気にしない人、オーディションの合格通知かといいようにとらえる、不吉なものを感じる、職業柄、事件性を抱く。「そして誰もいなくなった」へのオマージュですが、やや劣る感が否めない。2025/07/28
yukaring
69
スワンソンがクリスティの某有名作に真っ向から挑んだら…。その面白さたるや一気読み必至の魅力的な1冊。9人の人々に届く謎の名前のリスト。自分以外は知らない名前が並んだ手紙を捨ててしまう人や何のリストか妄想する人、その中でもFBI捜査官のジェシカは何かが気になり鑑識へ手紙を廻す。そしてある日手紙を握った男性の死体が発見される。そして翌日にはもう一人…。9人の繋がりが全く見えないまま捜査は難航。次に殺されるのは誰なのか?9人はなぜ殺されるのか?謎が謎を呼ぶ展開。私が今年読んだ中では暫定1位の極上のサスペンス。2025/08/20
オーウェン
55
9人のバラバラな男女に送られてきた9人のリスト。 その中から1人1人と連続して殺されていく。 作中でも言及されているのがクリスティの「そして、誰もいなくなった」。 閉じ込められているわけでもないのに、順番に殺されていく9人。 共通点は何なのか、犯人の目的は何なのか。 クリスティの作品を見ていると犯人のヒントが隠されており、生き残れる人間はいるのかどうか。 最後の章では意外な人物が登場してくるので、中々の捻りだった。2025/08/16
nuit@積読消化中
50
え〜。の一言である。毎回新刊が待ち遠しい作家の一人。今回も期待して読み始め、うわ、めっちゃ面白い!と一気読み。一気読みはしたのだが…。しかし…なぜ???読み終えたあとのこの悶々タイム。今夜は悶々して眠れない。2025/08/10
しゃお
33
ピーター・スワンソン版、『そして誰もいなくなった』。一見関係性の無さそうな9人が次々と殺されていく様子を描いていくミステリ。9人それぞれの生活している姿が描かれているけど、それぞれ自分が何故殺されるのか分からないまま殺されていくせいもあって、良く考えたら何を読まされているんだって感じもw とはいえ自分はその辺りも楽しめました。しかしラストはどうなんでしょうね。蛇足のような気もしますが、はてさて。2025/07/25