内容説明
地方の不動産会社で働く瑞季は、鬱屈した日常の中、自分だけの小さな楽しみとして「アルパカのヤスオ」のキーホルダーをひそかに集めている。ところが、孤高を貫いて怖がられている先輩社員の今泉さんとの意外な共通点やささやかな交流を通じて、瑞季の心に少しずつ変化が訪れる――表題作をはじめ、誰かにとっては価値のないものを大事に集める人と、その心を汲み取ろうとする人たち。そんな彼・彼女たちが、ぎこちないながらも心を通わせていく姿を優しく綴った、五つの物語からなる愛おしい短編集。/【目次】梅雨が来る前に/きみは湖/トカゲのいる闇/ハマエンドウが咲いていた/へびつかい座の見えない夜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
202
タイトルに魅かれ読みました。砂村 かいり、初読です。本書は、収集癖短編集、オススメは、「梅雨が来る前に」&「トカゲのいる闇」です。 https://www.tsogen.co.jp/np/isbn/97844880292722025/07/27
hiace9000
142
『コーヒーの囚人』からの今作…にて砂村ファン完全確定。めちゃくちゃいいじゃないですか!現代社会における女性の当たり前への問い直しや、生きづらさ描きでは、最近の寺地さんや町田さんーだけじゃない、と。心の機微描きの繊細さと共感レベルは特筆もの。今作、何らかの理由で何かを集めてしまうことに囚われた人とそんな相手の心を汲み取ろうとする人の葛藤を描く五短編。各作品の掴みやテーマ、新たな示唆に富む意外な展開、そして絶妙の〆っぷりは実にお見事。一編読み終えるごとに、ほーっと息をつき、また新たな頁を繰る楽しさ満喫の良作。2025/07/12
みゆ
81
面白かった~ヽ(^o^)丿 初読み作家さん、奇妙な品の蒐集を軸にした独立短編5話。でも蒐集自体はわき役で、登場人物たちのやり取りがまったく予想外で引き込まれました。映画やドラマの「予測不能な展開」とは一味違う、出来事としてはもっと地味なんだけども、ハッと思わせる驚きがありました。一番のお気に入りは、浜名湖の彼女、ちぎった切符の意味が素敵です。砂村かいりさん、注目したい作家さんが現れました('∇^d)☆!!2026/02/02
ネギっ子gen
81
【なかったことにしたほうが、都合がよくて楽だったんだろうね】あまり価値のなさそうなものを大切にする人々の姿を綴る短編5つ。特に、ペットボトルのおまけ収集をする“実家に縛られた”25歳の女性会社員を描く表題作が響いた。<正直であることは、しばしば人を怖がらせる。社会に出ればみんな大なり小なり仮面をかぶり、本音はその下に包み隠してやり過ごしながら生きている。それをせずにありのままの感情を見せつけられると、未知の生き物に出くわしたときみたいに、防衛本能のセンサーが反応して恐怖をおぼえるのではないだろうか>と。⇒2025/07/17
machi☺︎︎゛
79
一見価値のないものだけど、その人にとっては必要なもの。を集める人たちの短編集。初読み作家さんだったけどすごく読みやすく内容も面白かった。全部全くのつながりはないけど何かものを集めるという所だけが共通してて、なぜこんなものを集めるのか。それだけ切り取ったら理解できなくても何故そうなるのに至ったのか、その背景を知れば納得できる所が良かった。2026/04/17
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