内容説明
避暑地の別荘で、事件は起こった。三十歳を間近に控え、久しぶりに顔を揃えた五人の男女。インターナショナルスクールで出会って以来二十年以上の付き合いになる重成、聡也、梨愛、夏澄、雛乃は、海外赴任が決まった重成の送別も兼ねて、葉山にある聡也の別荘で旧交を温めていた。ところが深夜、雛乃が頭から血を流した状態で死体となって発見される。続けて梨愛が「私が殺したの」と告げ、警察に連行されてしまう。五人の関係は、一夜にしてひとりが被害者に、ひとりが被疑者になる悲劇へ転じた。幼馴染みの面会も拒否し、殺害の動機を語ろうとしない被疑者。弁護士は、残された関係者三人の証言をあつめる。しかし、同じ出来事を語っていても、当事者たちの思惑は三者三様に異なり、証言を重ねるごとに人物像と関係性はめまぐるしく変貌していく。果たして五人の間には何があったのか。あの夜、なぜ事件は起きたのか。関係者の証言から展開される、息を呑む心理劇の結末は――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
271
5人の仲良しグループ内で起こった殺人事件について弁護士が関係から証言を聴いていくうちに、当初思われていたのとは異なる事実が浮かび上がる。各人の思惑と隠し事が次々明らかになり、細かい伏線が張り巡らされて意外な真相まで読ませる力はミステリとして一級品といえる。ただ物語の前提として、海外のインターナショナルスクールでの日本人同級生仲間が20年以上も濃密な交際を続けていたとは、自分なら一刻も早く抜け出したいので不自然だ。作者も説明に苦心していたが、1人でも新しい友人が出来たら崩壊するので作り物の感は拭えなかった。2025/07/15
starbro
266
貫井 徳郎は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 本書は、男女五人不恋愛群像劇でした。やはり恋は盲目ということでしょうか❓ https://www.tsogen.co.jp/np/isbn/97844880292342025/07/23
モルク
152
マレーシアのインターナショナルスクールで一緒だった日本人男二人、女三人の5人組。帰国後も付き合いは続き、訪れた資産家聡也の別荘で雛乃が殺される。犯人はこの中の一人、一番おとなしい梨愛だという。それぞれが弁護士に語る一人語りで構成されている。最初は仲のよさを強調しているそれぞれだが、次第に被害者雛乃への不満や恋愛関係と本音がちらりと垣間見れる。最終梨愛の話で一挙に展開する。男尊女卑や同性愛も関わってくるのか。「不等辺五角形」という題名は秀逸である。が、重成が目を見張るほどの美男子、女性陣皆美人は解せない2025/10/08
しんたろー
137
貫井さんの新作は、著者の高品質な作品群で私はBEST3に挙げたい佳作『愚行録』と同様のインタビュー形式で構成…5人の幼馴染が集った別荘での殺人事件と、その犯人の動機を探ってゆくミステリ…著者らしい人間造形の巧みさで5人が目に浮かぶようなリアリティがあるし「何が本当なのか?」と興味を惹いてサクサク読めた。最後に犯人が殺害時の独白をするが「科学捜査で現場と遺体を調べたら、真相は判ってしまうのでは?」と思えるのと、動機についても薄々と予想がついてしまって、そこそこ楽しめたのに『愚行録』には及ばずに残念な気分。 2025/09/10
キムチ
115
筆者 久しぶりの心理劇もの 満喫。「慟哭」で愉しんだ息詰まるスリリング再燃。今回は2度読みせずに追随すべく集中 一気呵成に。海外インターナショナル出身 気の合う男女5人組〜旧交を温めるべく会した場は被害者1人加害者1人の凄惨な場と化した。口を閉ざす加害者〜弁護士は残り3人の語りを丁寧に聴き取。ここがミソ、筆者の腕の見せ所ね。物証や状況証拠を練り上げる警察モノと異なり、表題通り。5人の感情、価値観等付き合い始めとは微妙に醸成されていく不協和音。男女恋愛も絡むと尚更加熱。人は、見たい様に見、聴きたい様に…だ2025/09/15
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- CD
- 芳村五郎治/汐汲/供奴




