内容説明
夫を殺され、さらに国籍を失い、日本に入国した謎の美女・トモコ。CIAに在籍していたが、あることがきっかけで日米複合の秘密組織に命を狙われていた。そんなトモコが同じ名前ということで目を付けたのが自分とは対照的な風俗嬢の智子だった。米軍、CIA、日本の警察、そしてヤクザと次々に襲いかかる敵に二人のTOMOKOが立ち向かう。巨大な敵に勝つ方法はあるのか? 女性コンビが巨悪と戦いを繰り広げる、大沢在昌「伝説のハードボイルド小説」、ついに復刊!
本書は1993年に講談社文庫として刊行された作品の新装版です。また、新装版刊行にあたり加筆・修正をしています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
73
1993年の作品なので今や当たり前のようにある文明の利器が懐かしく感じる。何が何やらで始まり、何で?が続くバイオレンス作品。目的が徐々に明らかになるにつれ、そんなアホなと思いながらも目が離せなくなる。アメリカで大富豪の男と結婚したトモコ。夫が殺されCIAに在籍していたが日本に入国。国籍を失い日米の秘密組織に狙われることになるトモコにとって身分を証明する手立てに智子という同名の風俗嬢を見つける。だが、2人の行く手には常に米軍、CAI、日本の警察、ヤクザの追跡が待っている。思わずすごっ!って思ってしまう作品。2025/07/20
なな
16
まあ面白かった。2025/11/03
ゐぁくゎ
5
93年刊行作品の復刊本。大沢ハードボイルドワールドではあるが、女性二人のバディもので、若干マイルド。最近の先進的な通信技術や機器のない時代背景なので、筋立ては複雑になりすぎず比較的シンプルでわかりやすい。半面、最近の大沢さんの筆致とも異なっていて、登場人物の会話で謎に迫って行くという部分が少なく、敵側の動きの背景が読みづらい。ヒロインは十分魅力的なのだが、男性の援軍が少し地味なので、もう少し魅力的なキャラ設定が欲しかった。全体としては面白かった。2025/08/30
Walking
4
かつてCIAで働いていたトモコは、夫が殺害され、あることを目的とする闇の組織に命を狙われることになる。日本に渡ったトモコは特定の条件に合う風俗嬢・智子を指名する。アクションが少なめな、柔らかな雰囲気を持つハードボイルドであり、トモコと智子の「失うものがない者同士の連帯」が中心に描かれ温かさが漂う。一方で「秘密組織との対立の緊張感」も十分にあり最後の最後まで展開が読めず、大変楽しく読めた。2025/11/12
chika's
4
殺された愛する夫のため日米複合の秘密組織を相手に逃げずに戦うことを選んだTOMOKO。次々に襲いかかる敵と対峙し自ら敵を倒す、窮地に陥ると助けてくれる人があらわれる。若干都合よすぎる気もするし、最後はなんと合衆国プレジデント!!でも、難しいこと抜きにページを繰る手が止まらず、とっても楽しめました。智子が段々強く成長して行くのもイイ。2025/08/11




