内容説明
☆『死んだ山田と教室』で2025年本屋大賞にノミネートされた著者が送る”嫌愛”短編集。
登場人物は皆、身勝手でクズ。でも、そこに人間の本質があるーー。
・偶然の再会を「運命」と勘違いして、安全圏から告白をしようとするアーティスト。――流星と吐き気
・アニメにもなった作品の主人公のモデルは自分? サイン会で作者が元カレか確かめる高校教師。――リビングデッドの呼び声
・担当編集者に振られたにもかかわらず、才能は認められていて作品だけで がっている人気漫画家。――種
・昔付き合っていた彼女から独り言のようなLINEが送られてきて、死を仄めかされた編集者。――消えない
・かつて旅行先で意気投合した男性が偶然お客さんとなり舞い上がるレンタル彼女。――プラネリウム
仄暗い気持ちが過去を呼び戻してしまう5人の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
514
読メで教えていただいた作家さん、もちろん初読。過去の恋愛、失恋、消えない想い、と好みのワードの羅列に食いついた。登場人物が緩やかに連なって最終話できれいに完結、めっちゃ好み。恋愛(中にはそうとも呼べないものも)が終わっても、その気持ちをうまく処理できない人は多いのだな。作者いわく「終わった人間関係に、意味などない」それがうまく処理できないからこその、昨今あとを絶たないストーカー事件なのだろう。人の気持ちに「ここまで」ってちゃんと境界線を引ければいいのにね。2026/01/23
hiace9000
151
金子劇場にて今回上演するは、巷に溢れるアッパーなハッピー&サクセス恋愛譚に対為す、未曾有の元恋人視点から描く異色のオルタナティブ恋愛譚。偶然の元カノとの再会は運命か?、漫画家の元カレが描くアニメのモデルは私?、本カノから死を仄めかすLINEが来たら?…様々なシチュエーションが意外な繋がりで完全連鎖する五短編。恋愛の裏側にある苦く醜い現実こそ人間の本質であり、人生の真理かもしれない。『死んだ〜』シリーズからの新境地?否、さにあらず。通底するのは日常に潜むリアルな絶望とレアなる希望の炙りだし。キレ味は抜群だ。2025/06/16
ma-bo
109
死んだシリーズは終了?(死んだ石井しか読んでないけど)の金子さん。今回は元カノ、元カレが忘れられない、執着している人達の連作短編集。数珠繋ぎの様に5つのエピソードが循環する構成。第1話の主人公が逆の立場で最終話で登場。言われた『終わった人間関係に、意味なんかないからね。』を最後に言うシーンが印象的。帯には答え合わせなんてしなければよかった。金子玲介が贈る嫌愛短編集とある。拗らせや下品さもあるけど重くならないぎりぎりのラインを攻めてるので不思議と読後感は悪くない😆2025/11/19
yutaka
93
過去の恋愛を悪いほうに引きずっている男女を主役に据えた連作短編集。 「登場人物は皆、身勝手でクズ。」とまでは感じませんでしたが、その言動は怖くて、大抵の人は気持ち悪く感じてしまうのでは? 変わったタイプの恋愛小説って分類かと思うが、あまり経験の無い気持ち悪さが付き纏う作品だった。 ただ、読んでいてソワソワする感じが嫌いではなく一気読みでもあった。 金子さんとの相性が良いのか、これまで読んだ作品は全部好きですね。2026/01/10
mike
92
吐き気を催すほどに面白かった。よくもここまで拗らせたもんだ。男は元カノを忘れられず、その女は別の元カレが気になり、その男は元カレとの過去を引き摺って…リンクした先は見事最初の男へと繋がるんだ。拗らせの形態は人それぞれで、気持ちの悪い世界へとズルズルと引きずり込まれた。金子さんの巧妙さが流星の如く光る1冊だわ。2025/10/09




