内容説明
〈政治的なるもの〉をめぐって
誰しも人生を変えた一冊があるはずだ。困難や逆境にあるとき、思わぬ力を与え、生きていく糧となった本。あるいは進むべき道を示してくれた本――本書は、戦後日本におけるそうした一冊を探し求める試みである。
敗戦を受け、「近代化」や「民主主義」を求めた戦後日本は、いわゆる知識人が活躍した時代であり、数多くの名著が生み出された。とりわけ、政治思想史が果たした役割は大きかった。
福田歓一『近代政治原理成立史序説』、有賀弘『宗教改革とドイツ政治思想』、田中治男『フランス自由主義の生成と展開』、藤原保信『近代政治哲学の形成』、佐々木毅『マキアヴェッリの政治思想』、川出良枝『貴族の徳、商業の精神』……
なぜ、あれほどまでに政治思想史が読まれたのか? その過程で〈政治的なるもの〉はいかに変容したのか? そして思想史研究の変化には果たして必然性があったのか? こうした問いが本書の最大の焦点になる。
個々人の関心が多様化し、学問も細分化した。読書も大きく変容している。だからこそ、社会全体がかなりの熱量をもって集約的に本を読んだ戦後の記憶は貴重である。戦後思想を読む異色のブックガイド!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mori-ful
1
川出良江さんのインタビューが面白かった。2025/06/13
ウエオロ涼
1
戦後日本における問題意識は、荒廃の中で新しく国を作らなければならないという切迫感、しかしその際、戦前のような軍国主義に陥ってしまわないように注意すること、であった。だからこそ、価値抜きの作為の例として西洋で築き上げられてきた社会契約論をいかに受容するのかが論じられた(ただし、価値を含まないということも当然 1 つの価値であることには留意が必要であろう)。日本の政治思想史研究を通じて、西洋の思想史及び政治哲学を学べる好著。2025/06/08
Go Extreme
1
意義:日本の現実問い直し 民主主義考察の基盤 福田歓一:社会契約論 所与性からの脱却 デモクラシー方法化 民主主義概念:戦後価値 冷戦下イデオロギー化 シンボルとリアリティ 有賀弘:ドイツ自由概念変容 宗教改革 世俗化テーゼ 古城毅:フランス自由主義生成展開 革命前後 個と社会秩序 藤原保信:ホッブズ研究 多様視点(言語観 人間観) 近代概念形成 佐々木毅:イデオロギー時代マキアヴェッリ研究 政治的なるもの自律性 川出良枝:西洋政治思想史再検討 共和主義 混合政体 権力国家観 制度 2025/04/17
-
- 電子書籍
- 今世は脇役として生きていきます 2 p…
-
- 電子書籍
- 【合本版】お兄ちゃんは私専門 Hなドク…
-
- 洋書
- Appearances
-
- 電子書籍
- 最強陰陽師の異世界転生記 ~下僕の妖怪…
-
- 電子書籍
- 怪盗レッドー1 2代目怪盗、デビューす…