内容説明
約400年続く長期の支配を実現し、周辺国も取り込んで壮大な天下秩序を形成した漢。その巧みな支配体制はどのように構築され、展開していったのか。大きな役割を担った印綬制度に注目し、その変遷をみることで、漢の天下秩序の変化と広がりを明らかにする。
これまで論文や研究書でしか紹介されていない最新の内容を取り上げ、近年の世界史教科書記述の背景にある、古代東アジア史の見方を紹介。
金印ファンや三国志ファンにはもちろん、世界史知識のアップデートにもおすすめの一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kuroma831
27
漢倭奴国王の印で有名な漢代の印綬の制度を通して漢王朝の統治方法と世界観を描く。隋唐期以降の印はシンプルな形状で役所に保管するものとなるが、漢代の印綬は個人に豪華な公印が付与され、皇帝との信任関係の現れであるとともに身分秩序を証明するものでもあった。 実用面として文書封印の機能が目的だったのは有名だが、その一因として木簡や竹簡は文書改竄が容易だからというのはなるほどだった。2025/06/18
さとうしん
13
印綬制度から見る漢代の官制と行政機構、そして国際秩序。正直なところ印綬でここまで話が広がるとき思わず、面白く読んだ。漢代において周制は単に儒学的観点からいたずらに理想化されていたのではなく、統治の安定のための権威づけとして「漢の伝統」とともにうまく活用されていたという話や、公印が周代の青銅器に相当する役割を担っていたという話が個人的にポイントだった。2024/06/03
tokumei17794691
2
・漢の印綬制度を詳述した本。・漠然と、印綬の「綬」は、印璽に取り付けて手首に通していた、と考えていた。だが、本書では綬の幅を「約三八・四センチ」、「長いものでは七メートル近く、短いものでも三・六メートルほど」との事。手首を通すわけではなさそう。「印」より「綬」ほうが、「身分証」「階級章」として役割が強かったようなので、佩用法がある程度推測されてはいるが、具体的に分かっていないのはもどかしい。・印璽、印影の写真は多数あるものの、表紙を除いて白黒なのが残念。カラーで載せておいてくれないとイメージがわかぬ。2025/06/05
Teo
2
これは面白かった。単純に「印綬」と表現するのがいつもの事だったが、綬にあれ程の意味があるとは全く知らなかった。そしてその意味が丹念に構成して説明され、それによって漢王朝の国家秩序天下秩序がどう言う物だったのかに繋がって説明されるのもとても良い。今年のオススメ本の一つとなった。2024/07/06
Go Extreme
1
https://claude.ai/public/artifacts/57ce53b2-bbba-4ca4-8963-80a8e3722247 2025/06/29
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