自壊する北朝鮮 分裂する韓国

個数:1
紙書籍版価格
¥2,420
  • 電子書籍
  • ポイントキャンペーン

自壊する北朝鮮 分裂する韓国

  • 著者名:西岡力
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 草思社(2025/05発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 660pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784794227812

ファイル: /

内容説明

2023年末、金正恩は突然、父祖以来の南北統一路線を放棄して、韓国を「敵」と見なすことにした。それは驚くべき方針転換だった。北朝鮮の国是を変え憲法も変えるという大転換だ。(日本の朝鮮労連へも命令は届いている)。一方の韓国では2024年12月に尹錫悦(ユンソギョル)大統領が左派の策謀におびえて戒厳令を宣布したが失敗し、弾劾裁判にかけられるという一大事件が起きた。二国で並行して進む混乱や狂騒はどこへ向かうのか。本書はこの朝鮮半島の歴史的変動を詳細にリポートし、日本はどう対処すべきかを考えるノンフィクションである。

 北朝鮮は南のK-POPや韓国ドラマの浸透、風船を使った脱北者の宣伝活動がじわじわと浸透して住民が豊かで自由な韓国文化に強い憧れを抱くようになり、体制の危機を感じるようになった。文在寅(ムンジェイン)前大統領の任期半ばまであった南北融和ムードはいまや完全に断たれ、開城にあった南北統一の記念館は爆破された。北は長年、南へ多くの地下工作員を潜航させて体制転覆を画策してきたが、政治工作での乗っ取りはかなり成功していたものの、それもすべて止めにして金一族だけを守る、うちに閉じこもる政策に変わった。一方で北との体制競争でほぼ勝ったと思われる韓国では、自らが北に勝ったという意識は希薄でただ経済的繁栄を謳歌するばかりだ。

 金一族の経済的困窮は開国開放を求め、港湾の利用を求める習近平の中国との仲たがいから援助を打ち切られ、ウクライナ戦争で手助けがほしいプーチンのロシアに傾いていった。泥沼化するウクライナ戦争へ兵器だけではなく兵員まで貸し出して、代わりに食料やエネルギーなどの援助を仰ぎ、ようやく一息ついているありさまだ。兵員の派遣は21世紀の人身売買のようなものであり、一人いくらの貸し賃で数千人あるいは数万人規模の兵隊を送り込んでいる。弾除け代わりに使われる北朝鮮兵士はすでに数千人の死者が出ており、最大10万人まで送り込むと金正恩は広言しているという。

 韓国の尹錫悦大統領は戒厳令を宣布したが失敗し、弾劾裁判にかけられることになった。不正選挙が行われ、国会が左派に乗っ取られているという妄想が高じて、独断的に戒厳令を出したのだが(この不正選挙陰謀説は根拠薄弱)、弾劾罷免されるだろう。しかしその過程の中で右派と左派が大動員をかけ数万人規模のデモが連日行われている。新大統領選出の選挙が近日おこなわれるが、極左極右の暴力的対立が危惧されている。

 アメリカでトランプ政権が誕生し、北の頼る国は日本と米国しかなくなるだろうというのが著者の見立てだ。著者はこの機に乗じて拉致問題の全面的解決をはかるべきだという見解を述べている。いずれにしろ、朝鮮半島の未曽有の混乱は今後どうなるか、それを考えるために本書は格好のリポートであり、日本におけるこれらの問題の第一人者である著者の見識は大いに参考になるだろう。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みんな本や雑誌が大好き!?

1
「ファシズムはどこからやってくる?」だって? 北朝鮮と中共からじゃないですか? そんなことも分からず、トランプをファシスト呼ばわりする方々に読んでいただきたいのが西岡力さんの『 自壊する北朝鮮分裂する韓国』(草思社)の、とりわけ第一章、第二章で描かれている金正恩のすさまじい独裁者ぶりですね! 詳細はブログに書きました。2025/07/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22608117
  • ご注意事項

最近チェックした商品