内容説明
18歳の時に “あいつ”が放った光を、もう一度見たい。「その一瞬」のために始まった青春の延長戦は、あまりにも――。
読んだら、誰かを“応援”したくなる! 全ての人の感動スイッチを押す、胸アツ青春小説。
私たちは今、壮平君が歌った未来にいる――。
札幌で高校時代を過ごした仲間たちには、共通した「忘れられない瞬間」がある。学校祭の中庭のステージで見た、瀬川壮平の姿だ。
当時の仲間たちが同窓会と称して集まっていたある日、母校の中庭が無くなるというニュースが。
もう一度、あの場所で壮平を見たい!
しかし、東京でプロの活動を始めた壮平のステージは果たして実現するのか?
10代を共に過ごした仲間と、もう一度青春することはできるのか?
掴めそうで手放してしまった「欲しかった未来」に、もう一度手を伸ばしてもいいのか?
大人になってなんとなく流されていく日々に、「あのとき感じた希望の感触」が蘇る!
~~31文字の制限中で「その瞬間」を短歌というドラマにしてきた著者が、ついに挑んだ、渾身の長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
108
この作品、やっぱり高校生んトキに読みたかったなぁ。北海道のとある高校を舞台にひと夏、たった1日の学祭シーンを軸に綴られる青春物語。高校を卒業して、それぞれの生活に何かしら悩みを抱えている男女6人の話。でも個人的に一番、胸にアツくささったのは、女性教師の姿かも。6人それぞれが、特別に個性的ではないにしろ、読んでてちゃんとキャラが成立してるのはやっぱり書き手が上手だからなんでしょうね。オッサンが読んでも所々でじんわりと目頭がアツくなりました。今更ですが、やっぱり高校生活っていいですよね。ベタな青春でした。2025/06/22
まる子
26
「君の未来が美しくありますように」と、学校祭のバンドで歌った壮平くんが跳んだ。それが私に何かを残したー。少し大人になったかつての高校生。東峰高校の中庭がなくなる事を知り、もう一度、復活ライブを計画する。あの頃、自分たちが描いていた未来と今の自分を、この本を読んだ人は思い出すだろう。板垣さんが言っていた「生きていればつながれる」この言葉、渚の「ここぞ」って時の短歌、それぞれの想いや気持ちが想像しやすいのは、著者の岡本さん(ほむほむ推薦!)が31音に込める歌人だからだろうな。さぁ!ライブがはじまるよ!2025/06/08
さく
17
いまいち。壮平が跳ぶ姿の魅力がよくわからなかった。壮平が出演できないのに、ライブを決行したのも、お客さんたちに不誠実なのではと思ってしまう。2025/08/14
雪丸 風人
17
6年前のライブで刻まれた鮮烈な記憶。もう一度あの場所であの仲間とその瞬間に立ちあえたら、と願った青年たちが過去を振り返りつつ今を精一杯に生きる群像劇です。タイトルが素敵だな~。跳ぶとは勇気を胸に一歩を踏み出すことに読み替えられますね。先生らしくない教師のふるまいには、特に惹かれるものがありました。高校のいじめのくだりでは傍観者の罪深さがズシリと響きましたよ。心の闇がもたらす悪循環の連鎖に息をのむ瞬間もありましたが、終幕にかけてのまぶしい青春の煌めきで気持ちが晴れわたりました。(対象年齢は13歳以上かな?)2025/08/14
くま美
7
読みながら自分も、18歳のあの時へ跳べるような気がする。「あんたたち みんな生きてい るんだから バラバラに なんてならないだろう」25歳になってバラバラになりかけた時に放った板垣さんの言葉。読んでいてついつい31音を意識してしまった。 2025/06/20