ちくまプリマー新書<br> 死刑について私たちが知っておくべきこと

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ちくまプリマー新書
死刑について私たちが知っておくべきこと

  • 著者名:丸山泰弘【著者】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2025/05発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480685223

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内容説明

死刑制度に「なんとなく」で賛成または反対していませんか。冤罪があれば取り返しのつかない「究極の刑罰」にもかかわらずその実態は知られておらず、十分な議論もなされていない。日本の死刑制度とその運用にはどのような問題があるのか、維持するのならどうあるべきか、考えるための材料を示す。 【目次】第1章 死刑はどのように運用されている?/第2章 刑事政策の暗黒時代とその後/第3章 被害者を支援するとはどういうことか/第4章 死刑存置派と死刑廃止派の水掛け論/第5章 日本の市民は本当に死刑を望んでいるのか/第6章 「死刑は残虐な刑罰か」の過去・現在・未来/第7章 アメリカが死刑を維持するためにとった7つの観点/第8章 死刑存廃論のミニマリズム

目次

はじめに/第1章 死刑はどのように運用されている? /1 どんな犯罪が死刑になるのか/刑法に規定されている「死刑」がありうる犯罪/特別法に規定されている犯罪/2 死刑はどのぐらい言い渡され、どのぐらい執行されているのか/裁判員として死刑を言い渡す確率/死刑判決・確定・執行の数/3 死刑はどうやって執行されているのか/刑務官にとっては「最も困難かつ不快な業務」/4 死刑は歴史的にどのように変わってきたのか/海外における死刑の運用/5 死刑を取り巻く世界の動向/第2章 刑事政策の暗黒時代とその後/1 厳罰化志向の高まり/刑事政策の暗黒時代/2 犯罪学部が存在しない日本/刑事政策を学ばない専門家が増えていく/3 支援の必要性が明らかになっていった/再起について考える機会を持てているか/第3章 被害者を支援するとはどういうことか/1 「犯罪被害者」とはどのような人たちなのか/「死刑の対象となる殺人」は圧倒的に少ない/2 被害者のニーズはどのようなものか/時間の経過によってニーズは変わっていく/3 刑事司法で行われている被害者支援/被害者が裁判に関与するということ/4 刑罰は被害者感情に応えるためのものか/罰を与えさえすれば問題は解決するという思い込み/第4章 死刑存置派と死刑廃止派の水掛け論/1 抑止力と終身刑をめぐる議論/2 伝統的な死刑存置論者の主張/3 伝統的な死刑廃止論者の主張/4 日本の無期拘禁刑について知る/仮釈放の実態/「10年や20年で仮釈放される」のか? /実質的な終身刑/5 抑止力についてどう考えるか/第5章 日本の市民は本当に死刑を望んでいるのか/1 世論調査の質問事項は適切なのか/2 死刑の廃止を議論することは時期尚早なのだろうか/議論の前提となる情報や知識は多くあった方がいい/第6章 「死刑は残虐な刑罰か」の過去・現在・未来/1 死刑は憲法がいう「残虐な刑罰」にあたるのか/2 司法は何をもって「死刑が残虐ではない」と言っているのか/3 「首吊り自殺」研究の世界的権威が語ったこと/4 誰から見た「残虐性」なのか/5 時代と共に変化する「残虐性」/第7章 アメリカが死刑を維持するためにとった7つの観点/1 超適正手続(スーパー・デュー・プロセス)/死刑を維持するための法整備/死刑事件を扱う特別な弁護チーム/2 人権保障のための自動上訴/3 3つの「冤罪」のカタチ/4 死刑を支持するはずだった最高裁判事の反対意見/新しい冤罪論者/5 死刑囚167人一括減刑の理由「I Must Act」/6 量刑冤罪を防ぐためのプロフェッショナル集団/7 適切な刑罰を示す減軽専門家/第8章 死刑存廃論のミニマリズム/1 本書の目的を確認する/2 本書の構成を振り返る/3 死刑存廃論の共通認識のためのミニマリズム/あとがき/註

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

95
死刑制度を考えるときに、まず現在の日本の死刑制度についてどのように運用されているか、刑事政策の暗黒時代とその後、被害者支援とはどういう個々とか、賛成・反対派の論議、日本の市民は本当に死刑を望んでいるか、残虐な刑罰かの過去と現在、未来、アメリカの死刑制度などで構成。被害者家族の苦悩や怒りというものは体験なしでは考えられない、逆に死刑囚が冤罪事件だったということもあり、非常に難しい問題。この本に書いてあることは死刑制度を議論する際に非常に大事な本だと感じた。刑を執行する側の苦悩も相当なものと思う。図書館本2025/07/05

よっち

25
冤罪があれば取り返しのつかない「究極の刑罰」にも関わらずその実態は知られておらず、十分な議論もなされていない死刑制度。どうあるべきか考えるための材料を示す1冊。そもそもどんな犯罪が死刑になるのか、どれくらい執行されてきたのか、歴史的に世界の動向的にどう変わってきているのか。刑事政策の暗黒時代、被害者を支援するということ、存置派と廃止派の主張、日本の市民は死刑を望んているのか、「死刑は残虐な刑罰か」に対する考え方の変化、アメリカが死刑を維持するための7つの観点など、論点としてよくまとまっていると思いました。2025/06/06

4fdo4

13
まず本著は、「死刑反対の本ではない」。内外の様々な数値的根拠を出して議論のネタとして提供してくれる。無論、意図的に出していないデータもあるという憶測もある。国民世論「死刑もうやむを得ない 80.8%」とは、少ない情報の中での感情論と言わざるを得ない。良本。2025/08/03

おやぶたんぐ

9
死刑存廃の議論をするための“前提”を提供しようとする本。裁判員制度が実施されている中、いつ裁判で死刑か否かの判断を迫られるかもしれない現実(もっとも本書に示されたデータによれば、その確率は0.001%のようだが、0%ではない)も踏まえるなら、意義ある試みだと思う。ただ、非常に真面目に、丁寧に論じられているだけに、いきおい平板で読みにくい内容になりがちのように感じられる(特に第1章)。思い切って第4章辺りから読み始めてもいいかも。2025/06/19

学生

8
5/17(土曜日)17:30~ TBS 報道特集で、死刑について報道されていたのを見て、死刑を決定する側も知識が必要なんだと痛感しました。2025/05/20

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