内容説明
死刑制度に「なんとなく」で賛成または反対していませんか。冤罪があれば取り返しのつかない「究極の刑罰」にもかかわらずその実態は知られておらず、十分な議論もなされていない。日本の死刑制度とその運用にはどのような問題があるのか、維持するのならどうあるべきか、考えるための材料を示す。 【目次】第1章 死刑はどのように運用されている?/第2章 刑事政策の暗黒時代とその後/第3章 被害者を支援するとはどういうことか/第4章 死刑存置派と死刑廃止派の水掛け論/第5章 日本の市民は本当に死刑を望んでいるのか/第6章 「死刑は残虐な刑罰か」の過去・現在・未来/第7章 アメリカが死刑を維持するためにとった7つの観点/第8章 死刑存廃論のミニマリズム
目次
はじめに/第1章 死刑はどのように運用されている? /1 どんな犯罪が死刑になるのか/刑法に規定されている「死刑」がありうる犯罪/特別法に規定されている犯罪/2 死刑はどのぐらい言い渡され、どのぐらい執行されているのか/裁判員として死刑を言い渡す確率/死刑判決・確定・執行の数/3 死刑はどうやって執行されているのか/刑務官にとっては「最も困難かつ不快な業務」/4 死刑は歴史的にどのように変わってきたのか/海外における死刑の運用/5 死刑を取り巻く世界の動向/第2章 刑事政策の暗黒時代とその後/1 厳罰化志向の高まり/刑事政策の暗黒時代/2 犯罪学部が存在しない日本/刑事政策を学ばない専門家が増えていく/3 支援の必要性が明らかになっていった/再起について考える機会を持てているか/第3章 被害者を支援するとはどういうことか/1 「犯罪被害者」とはどのような人たちなのか/「死刑の対象となる殺人」は圧倒的に少ない/2 被害者のニーズはどのようなものか/時間の経過によってニーズは変わっていく/3 刑事司法で行われている被害者支援/被害者が裁判に関与するということ/4 刑罰は被害者感情に応えるためのものか/罰を与えさえすれば問題は解決するという思い込み/第4章 死刑存置派と死刑廃止派の水掛け論/1 抑止力と終身刑をめぐる議論/2 伝統的な死刑存置論者の主張/3 伝統的な死刑廃止論者の主張/4 日本の無期拘禁刑について知る/仮釈放の実態/「10年や20年で仮釈放される」のか? /実質的な終身刑/5 抑止力についてどう考えるか/第5章 日本の市民は本当に死刑を望んでいるのか/1 世論調査の質問事項は適切なのか/2 死刑の廃止を議論することは時期尚早なのだろうか/議論の前提となる情報や知識は多くあった方がいい/第6章 「死刑は残虐な刑罰か」の過去・現在・未来/1 死刑は憲法がいう「残虐な刑罰」にあたるのか/2 司法は何をもって「死刑が残虐ではない」と言っているのか/3 「首吊り自殺」研究の世界的権威が語ったこと/4 誰から見た「残虐性」なのか/5 時代と共に変化する「残虐性」/第7章 アメリカが死刑を維持するためにとった7つの観点/1 超適正手続(スーパー・デュー・プロセス)/死刑を維持するための法整備/死刑事件を扱う特別な弁護チーム/2 人権保障のための自動上訴/3 3つの「冤罪」のカタチ/4 死刑を支持するはずだった最高裁判事の反対意見/新しい冤罪論者/5 死刑囚167人一括減刑の理由「I Must Act」/6 量刑冤罪を防ぐためのプロフェッショナル集団/7 適切な刑罰を示す減軽専門家/第8章 死刑存廃論のミニマリズム/1 本書の目的を確認する/2 本書の構成を振り返る/3 死刑存廃論の共通認識のためのミニマリズム/あとがき/註
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
よっち
4fdo4
おやぶたんぐ
学生
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