ちくまプリマー新書<br> 世界の力関係がわかる本 ――帝国・大戦・核抑止

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ちくまプリマー新書
世界の力関係がわかる本 ――帝国・大戦・核抑止

  • 著者名:千々和泰明【著者】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2025/05発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480685216

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内容説明

戦争をなくしたい。兵器のない世界をつくりたい。でも、自分だけ先に武器を手放してしまったら、他の国に侵略されてしまうかもしれない……。そんなジレンマのなかで戦争と平和を繰り返す、世界の国々の力関係を読み解きます。 【目次】第一章 世界の力関係はどう変わってきたか――帝国と主権/第二章 帝国の出現を防ぐ手立てとは何か――勢力均衡/第三章 世界大戦はなぜ起こったか1――脆弱性による戦争/第四章 世界大戦はなぜ起こったか2――機会主義的戦争/第五章 国連はなぜ機能しないのか――集団安全保障/第六章 核兵器はなぜなくならないのか――核抑止/第七章 戦争はどう終わるのか――戦争終結/第八章 人類はまた大戦争を引き起こすのか

目次

はじめに/第一章 世界の力関係はどう変わってきたか──帝国と主権/「帝国」という語感とのギャップ/東と西の古代帝国/パンデミックで滅びた中世モンゴル帝国/近世アジア四大帝国の時代/ヨーロッパ・アメリカとの逆転/主権とは「スーパー統治権力」のこと/戦争を認めない現代主権国家システム/第二章 帝国の出現を防ぐ手立てとは何か──勢力均衡/「フォースに均衡をもたらす者」/「ヨーロッパ帝国」はなかった/ナポレオン戦争の衝撃/帝国ができるのを防ぐ勢力均衡/ヨーロッパの「音楽会」/アジア・アフリカに対しては帝国/第三章 世界大戦はなぜ起こったか(1)──脆弱性による戦争/要人暗殺が世界大戦になる不思議/ドイツ建国が崩した力のバランス/お互いの安全が低下する「安全保障のジレンマ」/周辺大国を次々に引きずり込んだ第一次世界大戦/時間にせかされたシュリーフェン計画/弱みがあるから手を出す「脆弱性による戦争」/「巻き込まれ」と「見捨てられ」の「同盟のジレンマ」/第四章 世界大戦はなぜ起こったか(2)──機会主義的戦争/歴史のターニングポイント/ヒトラーの野望/侵略者の言いなりになってはいけない「ミュンヘンの教訓」/チャンスがあれば打って出る「機会主義的戦争」/抑止されなかった日本/「清水の舞台から飛び降りる」/第五章 国連はなぜ機能しないのか──集団安全保障/イラクの侵略を撃退/グループ全体で侵略をとめる集団安全保障/勢力均衡と集団安全保障のちがい/第二次世界大戦を防げなかった国際連盟/失敗に学んだ国際連合/安保理常任理事国の重み/連合国と同じだった国連/アメリカとソ連が対立した冷戦/「ブレーカー」としての拒否権/PKOという役割/集団安全保障に期待しすぎない/第六章 核兵器はなぜなくならないのか──核抑止/人形劇の女の子/核を撃てなくする核抑止/人びとの安全よりも兵器の安全が大切な相互確証破壊/同盟国を守る拡大抑止/守る側と守られる側のデカップリング/限定的な紛争につながりうる「安定・不安定のパラドックス」/拒否的抑止としてのミサイル防衛/「恐怖の拡散」よりも「恐怖の独占」/核軍縮の落とし穴/核兵器を使わせないために/第七章 戦争はどう終わるのか──戦争終結/終わりのみえない戦争/戦争終結のジレンマ──「紛争原因の根本的解決」か「妥協的和平」か/「将来の危険」と「現在の犠牲」のバランス/優勢勢力と劣勢勢力が影響しあう/イギリス・北ベトナムと日本帝国の分かれ目/ロシア・ウクライナ戦争とイスラエル・ガザ紛争の出口/出口戦略の難しさ/第八章 人類はまた大戦争を引き起こすのか/アメリカは「世界の警察官」をやめた/帝国の復活?──西のウクライナ、東の台湾/戦争を防ぎ、終わらせるためには/日本は無関係ではいられない/あとがき/主要参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

breguet4194q

91
さすがにプリマー新書だけあって、専門用語も少なく文章も平易な書き方になってます。その上で、しっかり核心に迫る論理を展開しているので、すんなり主張を理解できます。入門書として「そもそも」を問いただすには、いい本だと思いました。2025/07/29

ta_chanko

26
世界史の流れは都市国家→領域国家→帝国による支配。西欧では(西)ローマ帝国の崩壊後、中世封建社会に移行。その後17世紀の三十年戦争を経て主権国家体制が成立。各国の主権を守るには、勢力均衡が図られた。しかし均衡の崩壊や複雑な同盟関係による「安全保障のジレンマ」が要因となり第一次世界大戦が発生。今度はその反省からナチスの暴走を抑えられず第二次世界大戦が発生。戦後は集団安全保障体制が採られるが機能せず。結局、核兵器による「恐怖の均衡」で世界大戦を防いできた。しかし核拡散や戦術核使用の危険性は残っている。2025/07/10

よっち

26
戦争が起きる理由がわかれば平和に一歩近づける。ジレンマの中で戦争と平和を繰り返す、世界の国々の力関係を読み解く国際政治学入門。世界各地の帝国の興亡から、近代や現代の主権国家システムにいかにして移行していったのか。ナポレオン戦争の衝撃と帝国出現を防ぐ勢力均衡、二度の世界大戦に繋がった脆弱性と機会主義、国連が上手く機能しない理由、核兵器はなぜなくならないのか、戦争はどのようにして終わるのか。アメリカが世界の警察を止めた時代、国同士のパワーバランスを考える上でポイントを押さえた解説はとても分かりやすかったです。2025/06/06

とも

18
なぜ戦争は起こるのか。国対国では単に侵略したいされたくないという話ではなく、それぞれの論理があるよという内容。 「地獄にいたる道のりは、善意で敷きつめられている」軍拡競争はかく加熱する…本書を読む限りでは仕方ない気がしてくる。 国際政治学、国同士のパワーバランスなどについての入門書。2025/05/23

日の光と暁の藍

12
素晴らしい一冊だった。現代の国際政治、国際関係を考える上で有益な概念の数々が、非常に理解しやすく説明されている。戦争が起こる理由、戦争の防ぎ方、戦争の終わり方と終わらせ方、将来また戦争が起こるのか、といった観点でキーワードを元に議論を展開していく。初めて学ぶ議論や概念があり、更なる学習の意欲が湧いた。帝国の出現を防ぐ勢力均衡。安全保障のジレンマにより生じたWWⅠ。脆弱性による戦争。戦争を止めるための抑止と安心供与などなど。歴史的事実と概念、概念と概念を関連付けて流れるように述べていくスタイルは実にお見事!2025/08/12

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