ちくま新書<br> ハイエク入門

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ちくま新書
ハイエク入門

  • 著者名:太子堂正称【著者】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 筑摩書房(2025/05発売)
  • 蝉しぐれそそぐ!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~8/3)
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  • ISBN:9784480076892

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内容説明

20世紀に屹立する偉大な思想家F・ハイエク。その思想は、経済学、政治思想、心理学など、幅広い領域に大きな影響をあたえた。本書では、縦横無尽に往還するハイエクの思考を複眼的にとらえ、「法の支配」「自生的秩序」などの概念のもとに展開したハイエク思想の全体像を提示する。ケインズ、マッハ、M・ポランニー、F・ナイト、ロールズなどと対比することで、ハイエクの独創性と先見性を浮かび上がらせ、日本では短絡的に語られることが多かったハイエクの自由主義思想を更新する画期的な入門書。

目次

はじめに/第1章 若き日のハイエクとその知的伝統/ハイエクの一族/ハイエクの幼年時代/軍隊生活と学問への目覚め/戦後の大混乱と社会主義への関心/オーストリア学派/知性の二つのかたち/ミーゼスとの邂逅/二つの目の博士号とハイエク思想の特徴/アメリカ留学/ガイスト・クライスでの交友/「遠縁の従兄」ウィトゲンシュタイン/第2章 ケインズとハイエク──世紀の経済論戦/結婚と帰国後の研究生活/迂回生産の理論/自然利子率と市場利子率/信用創造による迂回生産の攪乱/バブルの後の恐慌/LSE/ケインズ『貨幣論』(一九三〇年)/ケインズとの論戦/ケインズの転換/『一般理論』(一九三六年)における「不確実性」/ケインズ革命/ハイエクの雌伏/ケインズの死/第3章 ハイエクの「転換」/ケインズ墓碑銘/シャーロック・ホームズのパラドックス/社会主義経済計算論争/計画経済への価格メカニズムの導入?/論争の意義/「競争の意味」/ハイエクの「転換」/フランク・ナイトと不確実性の概念/「将来志向的」な投資/「資本制生産」のシステム/『隷属への道』(一九四四年)/大きな転機/第4章 「関係性」の心理学──感覚秩序論とその思想連関/グランド・ツアー/『感覚秩序』(一九五二年)/「分類」の原理/脳内の「地図」と「モデル」/心理学上の位置/行動主義と精神分析/「感覚秩序」の文脈/マッハとハイエク/ウィトゲンシュタインとハイエク/論理実証主義とハイエク/ポパーとハイエク/マイケル・ポランニーとハイエク/ノイラートの船/ハイエクの独自性/第5章 自由の条件/「社会主義の世紀」の終焉と「福祉国家」の時代/自由とは強制のないこと/自由社会を育成する「庭師」/「設計」と「デザイン」の相違/最低所得保障としての社会保障/教育と研究活動の重要性/福祉国家批判を超えて/欧州への帰還/第6章 自生的秩序論へ/原理の説明/自生的秩序/ルールと秩序の区別/二種類のルールと二種類の秩序/正義感覚と「フェア・プレイ」の精神/法の階層構造/「裁判官」による法の「発見」/社会正義の幻想/カタラクシーとしての市場秩序/二つの立法議会と主権概念の放棄/ハイエクと共和主義/ノーベル経済学賞/終章 ハイエクの自由論/二つの自由主義/ロールズ『正義論』(一九七一年)/ノージックの最小国家論/サンデルの共同体主義/なぜ私は保守主義ではないのか/「一般意見」の支配──ヒューム/「一般意志」の支配──ルソー/新自由主義とはなにか/カール・ポランニーとハイエク/貨幣の脱国有化論/フリードマンとハイエク/ハイエクの時代?/ハイエクの死/おわりに/参考文献/事項索引/人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

47
若きハイエクは、議会を通じた漸進社会変革で失業、貧困、経済格差を解決しようとするフェビアン主義に傾倒(031頁)。ハイエクがLSEに赴任した際、ケインズの招きで着ていたウィトゲンシュタインと会う機会があった(067頁)。ハイエクを迎えたロビンズの経済学:限られた予算や時間の選択下でどんな選択を行うか(091頁)。2025/07/19

Ex libris 毒餃子

11
ハイエクの思想と当時の思想を絡めて論じた本。確かに、入門だと思った。2025/07/19

バーニング

9
ハイエク理論の紹介だけにとどまらず、青年期〜晩年までを記述した伝記的でもある一冊。自分がハイエクについていかに知らないかを強く実感した。ロールズ正義論との類似や差異についての記述や、ハイエクが元々関心のなかった北欧型の福祉国家の発展形(90年代以降に様変わりしてワークフェアによる自立支援などを組み合わせた北欧型新自由主義)こそがハイエクの目指したものではないかという終盤の指摘を特に面白く読んだ。2025/06/12

Cana.t.kazu

5
 どのような分野もそうですが,ハイエクも時代の進行やいろいろな偶然によって注目される時期と,忘れ去られる時期もあると確認できました。2025/07/13

金吾庄左ェ門

4
ハイエクの考えを説いた本は世に数多くありますが、この本はハイエクの生い立ちについて多くを割いているように思えます。ハイエクがどのようにしてその考えに至ったかを知るには良い本だと思います。2025/05/19

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