ちくま新書<br> 「頑張れない」子をどう導くか ――社会につながる学びのための見通し、目的、使命感

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ちくま新書
「頑張れない」子をどう導くか ――社会につながる学びのための見通し、目的、使命感

  • ISBN:9784480076861

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内容説明

「やらない」「できない」のは、大人のせい!? やる気や「できる」を増やす声のかけ方や環境の整え方を、ベストセラー『ケーキの切れない非行少年たち』著者の児童精神科医と現役教諭が日常生活ですぐに使えるヒントを具体的にアドバイス。 【目次】第一章 子どもが“見通し”をもてるように/第二章 子どもの“目的”を支えるために/第三章 やる気を“使命感”に げるために

目次

はじめに/第一章 子どもが“見通し”をもてるように/1 余計な一言を言わない/「努力しないと厳しいよ」──負の暗示/「だから言ったじゃない」──失敗の後のダメ出し/「毎日コツコツ勉強しなさい」──みなさんは“コツコツ”できますか? /「分かることへのこだわり」──分かること至上主義/「宿題したの?」──やる前に言ってしまう/「どうしていつもそうなの?」──言い訳できなくする/「本当は言いたくないけど」──余計な前置き/「ほんとに?」──最初から疑ってしまう/2 “見通し”をもたせる手立て/「意外と簡単だ」と思わせること/解答を見せて近道を/漫画でも「おもしろかった」と思える体験を/本は読んでも感想を書かせない/焦らせない/身体を使う/無理に興味をもたせようとしない/万遍なくできることを望まない/「書く」ことの難しさを知る/第二章 子どもの“目的”を支えるために/1 子どもへの歪んだ見方を正す/勉強嫌いなのは、勉強が苦手だからではない/話を聞いてあげたつもりになっていないか/子どもを評価していないか/「うん」──そのまま信じるな/誰とでも仲良くしなきゃ? /じっと座っていることは大切? /計算問題と文章題の捉え方/黒板の文字が写せない、漢字が覚えられないと駄目? /ミス・失敗をどう考えるか? /ついていけなくなるのはなぜ? /記憶が苦手な子には? /人の話を聞けないのはなぜか? /同じ場所でも左と右になり、上と下にもなる/興味をもって聞けるために/2 支援者も支え合う/アドバイスよりも分かってほしい/安易に専門家につなげない/「家ではいい子」は「学校でもいい子」? /「先生は頼りないね」──子どもの前で批判しない/ほめればいい? /教育環境の変化を理解する/よくなってきたこと/第三章 やる気を“使命感”に げるために/1 子どもたちの“やる気”と言う前に、考えたいこと/孤独にさせない/何のために勉強するかに答えられるか/学歴のため? 稼ぐ力のため? /みんながするから? /2 学びの本質が“使命感”に がる/学問と教育の違い/不幸な状況から抜け出すために/孤独から解放されるために/人から必要とされ社会と がるために/立ち止まって考えてみる/大人の学びが子どもの学びに がる/おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たまきら

43
頑張れないの定義って何だろう?とちょっと批判的な気持ちで手に取り、すぐに著者たちの言いたいことが「周囲の大人たちの思い込みで力が奪われてしまっている子」とわかって、ほっとして読み進めました。大学の同級生同士が創り上げた、「人を幸せにしたい」気持ちが伝わってくる本です。後書きを読んでとても辛くなりました。過酷な幼少期を送ってきた方が、負の連鎖を断ち子どものために努力されていること、尊敬します。新刊コーナーより。2025/05/28

よっち

27
様々な理由で頑張れない子どもをどう理解して導けばいいのか。大人側にある原因を探りながら、大人ができる環境の整え方、導き方をアドバイスする1冊。やる気に繋がる3つの段階「見通し」「目的」「使命感」。子どもが見通しを持てるために必要なやる前に余計なことを言わない、焦らず分かることを積み重ねていくことの重要性。子どもの目的を支えるために、教育環境の変化を理解して支援者同士も支え合う意識を持つこと。やる気を使命感に繋げるために様々な「なぜ」に対して、大人の側も改めていろいろ考えていく必要があるのはその通りですね。2025/06/06

ta_chanko

20
「頑張れない」ことの背景に何があるのか? 無知・認知的な誤り・家庭環境や精神的な状況などなど、様々な要因が複雑に絡み合うことで「頑張れない」状態になっているのではないか。安直に怠惰だと決めつけず、子どもや家族の気持ちに寄り添う姿勢が大切。社会においても、学ぶことの意義が学歴・賃金・立身出世などの狭小で俗世的・資本主義的な理由に解釈されている傾向がある。人々が自らの意志で、自身と社会のために学問に取り組み、探究していけるような世の中になるとよい。著者(田中氏)の生い立ちに関する「おわりに」は衝撃的。必読。2025/08/15

安藤 未空

8
子どもに対する深い理解のもと書かれた内容だと感じた。目の前にいる子どもの状態をよく理解していないと、子どもが前を向いて頑張ろうと思える言葉かけは簡単にできないということを強く実感した。せめて私は母親として、自分の子どもには適切な言葉がけができるようになりたいと思った。 この本が求める子どもへの声かけができる教師は、昨今の多忙さもあって、ほとんど存在しないだろう。けれども、子どもの良き理解者であり伴走者である教師がいる学校をもう一度、復活させたいと大人としては願わざるを得ない。そのために何ができるのか。2025/08/09

Kooheysan

8
とことん子供の立場に立った、日ごろから頑張れない子供と接している教師や親への指南書。余計なことを言わないとか、傾聴が大事など、書いてあることは至極当たり前のことかもしれませんが、日々の実践は意外と難しいはず。大人が練習あるのみです。学ぶことの目的を考えると、学びへの意欲をどう高めるか、または関心を阻害しないようにすることは非常に大切だと思います。2025/07/29

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