内容説明
教室である日突然始まったいじめ。「僕は見て見ぬふりなんかできない!」。職員室へ密告に行くが、先生は何故か見て見ぬふり。たまらず先輩に相談すると、加害者たちを実名で晒し始めあっという間に大炎上。「自分は正しいことをした」と思っていたが――。日常で暴走する〝正義?を題材に、常識がひっくり返る全篇大どんでん返しミステリ短編集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mochiomochi
56
『正義』が何かしらテーマに入っている短編集、全6編。下村さんらしく、古い作品から最近の書き下ろしまで、尖っていて技巧の効いた作品群だった。どの作品もどんでん返しがあり、「そう来たか!」と唸らされること数回。『保護』はサイコホラー味がありながら下村さんらしさがあって個人的には一番面白かった。『完黙』も作り込まれてる感は否めないがテクニックに富んでいた。『ストーカー』は途中からなんとなく展開は読めたけどゲンナリ。こういうグロは苦手。姉妹作(?)の暴走正義も読みたい。2025/12/10
アーちゃん
50
2023年発行、2025年文庫化。6編の短編集。久しぶりの下村敦史さん。どんでん返しの名手だというだけあり、最後まで目が離せない作品が多かったけれど、自分の理解力不足のせいか「ストーカー」は二度読みしてようやく理解した。また展開で一番驚いたのはラストの「死は朝、はばたく」。そしてこの作品がマイベスト。次作『暴走正義』にこの作品の登場人物が出るとの事だけど読むのに少し間があきそう。2026/03/15
坂城 弥生
39
『保護』が一番ビックリしたかな。2025/05/30
10$の恋
35
『正義』に就いての考察が深く、いろんな方向からの思感を認識し読み入った。簡潔に言えば「SNS拡散(いじめ)」「未成年不同意性交」「復讐」「ストーカー」「恨み」「死刑囚の胸中」の6編なのだが、何が本当の正義なのかと唸らされた。アッと言わせる予想外の展開ばかりで、どれも読み応えが濃厚で心が軋む。真相の隠匿、社会通念の欠如、SNSなどによる魔女狩り的な中傷誹謗、過度のコンプライアンスやハラスメントの蔓延…、人間の利他愛や深慮が崩れ去る現代、本来の良心的な人間らしさって一体どこへ行ってしまうのだろう。2025/12/11
Walhalla
32
全6話の短編集でしたが、どれもなかなかのインパクトがあります。序盤、2話目の『保護』には完全にコロッと騙されました。先入観って怖ろしいです・・。そうなってくると、以降の話はどんなひっくり返り方をするのか予想しながら楽しめますよね。一部、やや無理のある物語もあるにはありましたが、5話目の『罪の相続』と、6話目の『死は朝、はばたく』は、重苦しい内容の中にも人間の良さのようなものもあり、定義するのが難しい「正義」の正体の一部が垣間見えたような気がしました。(Audible)2025/11/04
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