内容説明
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岸本佐知子氏、都築響一氏推薦 漫画+エッセイの「旅の本」
寄居、いちょう団地、石岡、城ヶ島……有名な観光地でも映えスポットでもない、人々に忘れ去られそうな場所を「たまたま」訪れる愉しみ――
外出や旅行が憚られたコロナ禍の2020 年。漫画・エッセイ・絵画・音楽等多方面に活躍する著者は、どこにも行けないのならと家に籠り、わずかひと月の間に過去の旅の思い出を漫画と文章で甦らせ、『旅の本』という書名で自費出版、大きな反響を呼んだ。これを大幅に加筆・修正し、さらに本誌連載「偶偶放浪記」や書き下ろし四篇を加え、新たな旅の本としてまとめたのが本書である。
宿も食事も想定外、なぜか巻き込まれる奇怪なアクシデントの数々、時代に取り残され失われつつある光景、交錯する自らの記憶……笑いと哀感が入り交じり、読後はふらっとどこかへ行きたくなること必至の、珠玉の旅漫画+旅エッセイ集。
「私も小指さんの目と、耳と、鼻を借りて、今すぐ旅に出たい。近くて遠い、異界の入口をのぞいてみたい。しみじみと、最高です」 ――岸本佐知子
「どうでもいい町を歩く楽しみが、どうでもいい人生を楽しむ極意を教えてくれる」――都築響一
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
81
読友さんの評判がいいので読んでみた。あんまり著者のことを知らずに読んだ。正直私にはどうも合わない本だった。w足しの面白いツボがずれているなだと思うけれど、人それぞれ感じ方が違うのが読書の面白さなんだと思う。きっと加齢のせいかもしれないな、と自己弁護(笑)図書館本 2025/03/01
nonpono
46
まさに帯の「有名な観光地でも映えスポットでもない、人々に忘れ去れそうな場所を「たまたま」訪れる愉しみ。」な放浪記。旅の記憶、残存、わたしも世界遺産はすごいと思うが、道に迷った路地とか昭和な宿とか誰かに説明するのは難しいものが多々ある。作者の小指さんは漫画で表現してくれる。わたしのふるさとの新宿の大久保も友達が住む街もでてきた。そして、すれ違う個性豊かな人。わたしは最近、神奈川のある駅で立ち食い蕎麦屋の匂いを肴に、立ち食い蕎麦屋の前でお茶割り飲んでいるおじさんを凄いと思った。事実は小説よりたまには、奇なり。2024/10/18
まこみや
45
昨年末、岸本佐知子さんがあちこちで爆オシしていたので読んでみた。なるほど推薦するとなればこれくらい本気に勧めてもらいたいものである。作品中の一つ一つの旅に共通する、この本のテーマを私なりに言えば、それは「滅び去るもの(人や事物)」への哀愁であり、共振である。忘却の街の見捨てられた小さなモノが「異界」への入口へと続いていく。絵も一見素人っぽく見えるけれど、画力は本物だ。2025/02/03
ホークス
44
2024年刊。寂れた町を歩くコミック&エッセイ。絵とモノクロ写真の陰翳がたまらない。寄居(埼玉県)編が良かった。昔の賑わいが察せられる町で、美味しいカツ丼を食べ、駄菓子屋を見つける。木造の観光案内所が懐かしい。私も仕事で立ち寄り、侘びた風情に惹かれた記憶がある。著者の泊まった山崎屋旅館は明治創業で外観も内装も味わい深い。つげ義春が出てきそうだけど閉業したらしい。城ヶ島、石岡、天下茶屋、笹山団地など、どこも不思議な手触り。寂れた町の、あの吸い込まれるような感覚は何なのだろう。これから更に増えるのかも知れない2024/11/16
春はあけぼの
24
偶々図書室の新着コーナーにあって目が合った本。カラーで読みたかった。目が悪いので細かい文字が見え難いのです。 冒頭のいちょう団地はテレビにも取り上げられた。多国籍な住民と日本人の老人たちが上手に暮らしている場所だと。ここに行ってベトナム料理とか食べてみたい。 廃れた街並み、不衛生な旅館、私には無理~と思いつつ、その中に楽しんで見て感じて歩く小指さんを尊敬してしまう。 友人のサビてヤレタ物が好きな美大卒のYに勧めてみよう。2025/01/31
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