韓国ドラマ沼にハマってみたら

著者名：角田光代【著者】

筑摩書房（2025/05発売）

• ISBN：9784480874184

内容説明

『愛の不時着』『梨泰院クラス』『私の解放日誌』etc.コロナ禍をきっかけに韓国ドラマにハマった作家が、その多様な面白さを作家ならではの視点で綴る。

目次

１　つれづれなるままに／２　恋愛ドラマの、恋愛以外／３　シーズン２を待ちながら／４　身の危険を感じるやめられなさ／５　アンチではないエイジング／６　何かしなければ何も変わらない／７　悪役が極悪であることで救われる／８　カルト宗教というジャンル／９　島の歴史と、今を生きる人たち／10　ヨンウとモクハが私を励ます／11　財閥というジャンル／12　過去の伝えかたとしての娯楽作品／13　過去の伝えかたとしての娯楽作品・２／14　「ハマる」とはこういうことか／15　ソル・ギョング度と、彼の主演ドラマについて／16　私の好きなドラマ／17　韓国版『紙の月』あれこれ／付録　パンデミックと韓国ドラマ／ドラマの本気と日常的啓蒙／本気度のシンクロ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[starbro]

角田 光代、新作をコンスタントに読んでいる作家です。韓国ドラマは、ほぼ観た事がなく無謀ではと思いつつ、読みました。韓国ドラマ未視聴のため実感は沸きませんが、著者の韓国ドラマに関する考察を面白く読みました。しかしながら私が韓国ドラマ沼にハマることはありません（笑） 世界中で韓流は、過大評価されている気がするので、通常評価に落ち着いて欲しいと思います。世界を席巻した韓流ゴルファーは下火となっています。 https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480874184/

2025/07/01

[sayuri]

コロナ禍をきっかけに韓ドラにハマった角田さんのエッセイ集。『冬のソナタ』でヨン様ブームが起きた頃、私も右へ倣えと視聴したがハマらなかった。ところが、SNSで知り合った友人から「小百合さんが絶対好きだと思う」と送られて来た1本のドラマで韓ドラ沼へ真っ逆さま。当時の視聴ノートを確認した所、ドラマ300本以上と映画100本弱視聴していた事に驚き！ここ数年は読書に時間を費やしているが、あの頃は韓ドラ三昧だった。角田さんご紹介のドラマはどれも面白そう。韓ドラに対する捉え方も興味深くて、作家さんの目の付け所に唸る。

2025/06/07

[cao-rin]

角田さんが、コロナのパンデミック以降ハマった韓国ドラマや映画が紹介されている。何故韓国ドラマや映画がこれ程までに人の心を引きつけて離さないのか、著者が言語化してくれる。特徴として、主人公だけでなく登場人物の背景の掘り下げ方が深く丁寧で、感情移入しやすい、カメレオン俳優が多い、社会情勢や政治背景を扱った作品が多い、人のあらゆる情を細やかに描き出している等々…終始頷きながら読む。しかし、これは困った事になった💦観なけれなならないと思った作品が多すぎる🥲まずは厳選して『D.P.』と『私の解放日誌』を見よう。

2025/05/19

[あじ]

角田さんの“韓沼”には、顔天才を礼賛する文章は一行もなかった。脚本の緻密な完成度に感嘆し、俳優の抜きんでた演技力に心酔する様を熾火のごとく綴っている(うんうん、そこだよねーと私。孫の手のような角田さんの洞察と名言)。韓国で翻訳される日は、そう遠くないだろうと思われるエッセイだ。ちなみに私は【愛不時】以降、300本の韓ドラを視聴している。海外ドラマ専門だった読友さんお二人を巻き込み、日々コミュニティで情報交換をしている。

2025/08/05

[ほんメモ(S.U.)]

タイトルに沼って書いてあるし、単なる『推しドラマ』や、素敵な俳優さんを紹介してくれるエッセイなのかな、と思って手に取った本でしたが、テーマ性の高い韓国ドラマや映画とその魅力を紹介してくれる本でした。さすが角田光代さんだなと思いました。作品それぞれのテーマを読み取る力が高いのは、やはり同じように作品を生み出すお仕事をされているからでしょう。紹介されている映像作品で、私が観たことがないものもたくさんあって面白そうなので、いくつか観てみたいなあと思い、ページを戻してリストを作っています。お楽しみが増えました。

2025/06/03