内容説明
星の随筆家として活躍し、当時太陽系第9番惑星として発見された星の和名を「冥王星」と名付けた野尻抱影。いまなおその功績は輝き愛され続けているが、厖大な著作を世に放った野尻が大正13年に初めて刊行した本はエッセイではなく、若者たちに向けた小説集だった。少年の心を占めるオリオンの光が印象的な表題作「三つ星の頃」ほか自然の息吹を感じる11篇を収録。解説 名取佐和子
目次
序にかえて/三つ星の頃/自殺した少年のこと/海恋い/悲しい山椒ノ魚/金時計/猿に変った少年の話/職工の子/天狗の罰/追 団/山羊の声/雪の宿/解説 名取佐和子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
とんこ
30
野尻抱影の星の随筆は大好きですが、これは中学生向けの小説集で、著作の中では毛色の変わったものらしい。大正13年初版のものを復刊してくれたちくま文庫に感謝。それで?みたいなあっさりした読みやすいお話が殆どだけど、古い言い回しや漢字表現に雰囲気があり楽しめた。「海恋い」の夜明けの描写、緊迫感ある「追剝団」が面白かったです。2025/10/20
ぷら
13
冥王星の名付け親が書いた短編集と聞き、それだけで読んでみたいと思った。帯には生誕140年とある。 エンタメ性に富んだ起伏ある内容ではない。人によっては淡々としてつまらなく思うかも。ではドラマチックでないのかの言うと、決してそんなことはない。 「オリオンです」 たったこれだけの言葉から流れ込む切実な感情に揺さぶられる。この台詞までの僅か11頁に、それだけのものが込められていた。 どの短編にも宿る執筆当初の時代を感じる切実さ。時代小説と呼ぶには早いと思うが、その当時の時代を感じる短編集だった。2026/06/10
ぐっちー
4
大正時代に書かれただけあって、かなり時代がかっているけれど、スラスラ読めた。『職工の子』のなかなか酷い仕打にはびっくりしたが、希望のあるラストで良かった。2025/05/27
風斗碧
2
「職工の子」読了した所で挫折。「星の抱影」は大好きで、子供の頃から何冊も持っているのだが、この自選短編集は駄目だった。なんだこの救いの無さは。大正時代の作なのに明治深刻悲惨小説集張りである。表題作の「三つ星の頃」は麗子さんの話で長らく読みたかったので再版してくれたのは有り難かった。2025/03/04
syk
1
エッセイの文章が素敵だなあと思っていて、そしたら本屋でこの本を見つけて、小説も書いていたんだと驚きながら購入。どれも淡々としていて、読みやすくはある、けど面白いかと言われるとうーん?エッセイの方が好み。2026/05/10
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