内容説明
満場一致のメフィスト賞受賞作にしてデビュー作がいよいよ文庫化。まさかゴリラに泣かされる日がくるとは――数多の作家、書評家、書店員の度肝を抜いた全人類必読のミステリー!
「ダ・ヴィンチ」プラチナ本! 読書メーター「読みたい本ランキング」1位!
京極夏彦さん、宮部みゆきさん、宮内祐介さん、五十嵐律人さん、斜線堂有紀さん、宮島未奈さん、QuizKnock河村拓哉さんなどが大絶賛!!
カメルーンで生まれたニシローランドゴリラ、名前はローズ。メス、というよりも女性といった方がいいだろう。
ローズは人間に匹敵する知能を持ち、言葉を理解し「会話」もできる。彼女は運命に導かれ、アメリカの動物園で暮らすようになる。そこで出会ったゴリラと愛を育み、夫婦の関係となった。
だが ―― 。その夫ゴリラが、人間の子どもを助けるためにという理由で、銃で殺されてしまう。どうしても許せない。 ローズは、夫のために、自分のために、人間に対して、裁判で闘いを挑む!
正義とは何か? 人間とは何か? アメリカで激しい議論をまきお こした「ハランベ事件」をモチーフとして生み出された感動巨編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
137
類人猿と人類の違いが無くなる世界が来るかもしれないなぁなんて漠然と思った。人間と手話で会話できるゴリラのローズ。彼女の視点から人間とは、命とか、正義とか考えさせられる本作。プロレスラーに方向転換?にはオイオイって感じがしたけれど。ローズが元の世界に戻る選択にホッとした。ローズとリリーの会話が好きだ。リリーに人間のことを嫌いになった?と問われたローズが「好きな人も嫌いな人もいる。ゴリラも同じ。嫌な奴はどこにでもいるから、気にしない」あぁ好いなぁ。そしてリリーが言う『人間の本来あるべく生活』ってなんだろうね。2025/07/07
はっせー
53
主人公はローズ。メスというより女性と言ったほうがいいかもしれない。ローズはカメルーンに住むゴリラ。母親と研究員の熱心な教育により、高校生並みの知能と手話をマスターする。そんな彼女はアメリカの動物園に行くことに。そこではオマリという伴侶と出会い、これから幸せな生活になるはずが…。ゴリラの展示に誤って落ちてしまった男の子。その子と遊ぶために子供を振り回してしまった。そこで園長はオマリを射殺することを決断し実行。ローズはそんな園に対して裁判を起こすことに。本書のイメージを伝えると「特殊事例から普遍な問いへ」かな2025/07/31
小太郎
41
前から気になっていて文庫化で購入。なるほどメフィスト賞満場一致も頷ける内容でした。動物園の事故で配偶者を殺されたローズが裁判を起こすのですが、ローズは人並み以上のの知能を持ち、会話ができるゴリラなのです。ゴリラのような野生動物の権利、動物と人間に命の差があるのか?というある意味人間の存在意味にも関わる大きなテーマ性を持つ作品でした。それも変に説教臭くならずにちゃんとしたエンタメに仕上がっています。ゴリラのローズは何の表象なんだろう?などと色々な読み方が出来ると思います。★3.52025/07/24
なつくさ
37
初読みの作家さん。人間とは何か?、命の重さ、価値について考えさせられました。安全側の意見はいつだって身勝手だ。当事者が円の中心に位置するとして、円の外側に向かうにつれ、円の中心については考えなくなる。昨今の出来事で咄嗟に浮かんだのは熊のこと。人を襲う熊。猟友会に対する批判。円の外側の意見。ゴリラのローズは夫を殺害されて、裁判を起こす。戯言だと嗤うか、円の中心に想いを馳せるのかは自由だけれども、中心を見つめられる人間でありたいと思った。こんなに考えさせられるとは思いませんでした。さすが、メフィスト賞でした。2025/06/30
mayu.
32
ゴリラが裁判!?と気になっていた本。手話が使える母ゴリラの影響と高い好奇心が相まってどんどん言葉を使える様になるローズ。言葉だけではなく表現もとても豊かだ。最初こそページが進まなかったけど、ローズの過去を知ったあたりから止まらなかった。動物が言葉と感情を上手く表現できたらどういう事が起こるのか。人間とは動物とは、その違いとは。日頃考えた事の無かった事を色々考えさせられた。ローズのスピーチに感動をもらい、ゴリラについてこんなに考えさせられるとは。凄いもの読んだなと感じた一冊。2025/06/05
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