渦の中へ - おいち不思議がたり

著者名：あさのあつこ

PHP研究所（2025/05発売）

• ISBN：9784569904856

内容説明

医者を目指しつつ、女としての幸せも諦めたくないおいちは、飾り職人・新吉との結婚を決意する。しかし祝言の当日、『浦之屋』という商家で毒物混入事件が……。おいちは祝言の途中で現場に駆け付け、父・松庵とともに苦しんでいる人達の手当に奔走する。そして後日、『浦之屋』の若旦那の乳母が服毒死。犯人だと名乗り出たのは、なんと菖蒲長屋の元住人・巳助だった。この世に思いを残して死んだ人の声を聞けるおいちは、巳助が闇に呑み込まれる姿を見てしまい、事件の裏に何かあると確信。仙五朗親分とともに、事件の真相究明に動き出す。体調に異変を感じていたおいちは、この奇怪な事件の謎を解くことができるのか。シリーズ累計45万部突破！　仕事も家庭も手に入れたい娘の奮闘と成長を描いて話題の、青春「時代」ミステリー第六弾！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[もちこ]

おいちさんがラブラブなのがほっこりw 塾の女性方のご活躍を期待申し上げております。 2025-36

2025/05/23

[miohaha]

おいち不思議語りの第6弾。新吉さんとの新婚生活も束の間、長屋の元住民を巡る不穏な事件が。一人の女性としての幸せを掴むこと、医師としての道を究めること、両立は決して楽ではない道のりですが、新たな仲間を得て、新たな一歩を踏み出すおいち。単行本では次作も出たようで、早くも文庫化が楽しみです。

2025/06/08

[陽ちゃん]

シリーズ６作目。ずいぶん久しぶり、と思ったら前作を飛ばしちゃってると判明。なので、初っ端から、あれっ!?おいちと新吉が夫婦になっちゃってる！とびっくり。まだまだ初々しい2人ですが、そのうちしっくりくるんじゃないかな。っていうか、馴染んでくれなきゃ困りますもんね。医師として修行中のおいちですが、父の手伝いで実践を積む一方、明乃先生の医塾で仲間と議論を交わしたり新しい知識を吸収したりと、着実に成長して頼もしいです。女というだけで差別もされていますが…。実力を身に着けて見返して欲しいところです。

2025/06/02

[晴]

おいちシリーズ第6弾。新吉と夫婦になり楽しく暮らしているおいち。石渡塾のほうも新たに3人の「後輩」とともに学ぶことになり順調な日々を送るさなか、油屋「浦之屋」での毒物混入騒動、その騒動の実行犯である乳母の服毒死、そしてかつて菖蒲長屋に暮らしていた焙烙売りの巳助が容疑者として連行され…というお話。事件のほうは欲にまみれるとろくなこったないなと思いました。毒物騒動の時に祝言の途中で立場を忘れて飛び出したおいちと、それを気にせず見送った新吉のやりとりがおもしろかったです。（続き）

2025/08/01

[まる]

おいちの新しい生活が始まっている。明乃塾で学ぶこと、新吉との新生活。どちらも好調な滑り出し。松庵の助手としても力をつけて行く。明乃塾の塾生も登場人物に加わり賑やかな一方、十斗の活躍の場が少ないのが寂しく感じられる。今回はおいち夫婦が移り住んだ長屋の前の住人の巳吉が暗い靄に包まれるのを見たおいちの予感通りに巳吉が犠牲になりそうな事件が起き、その解決が難しい。事件が起きるのも遅かったが、解決への足取りはなお重かった。単行本では次巻も出版されていて文庫化が待たれる。

2025/07/24