内容説明
大国による支配の痕跡と土着の文化が絡み合う神々の楽園・台湾の南部で、歴史と伝承の狭間にある数々の奇譚を読み解き、台湾の「いま」を考える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
buuupuuu
22
台湾在住で、現代台湾文学の翻訳などを手掛ける著者による、歴史探訪エッセイ。南台湾、特に高雄周辺を舞台にした、おそらく比較的マイナーであろう出来事を扱っている。歴史的に台湾は、中国大陸やヨーロッパ、そして日本などの様々な外部勢力の介入に曝されてきたが、内部においても、原住民の様々な部族や、大陸から渡ってきた閩南人や客家人などが分かれて暮らしており、かなり混沌とした状態だった。祭事や遺跡に残された、諸勢力間の交流やディスコミュニケーション、支配勢力の横暴、人々の願いや独立不羈の精神の記憶が語られている。2025/07/16
ルッコラ
2
高雄に住む著者が南台湾に起こった数々の歴史事件を17篇の奇譚にまとめた。 第一の特徴は、歴史事件を地方誌や調査報告といった文献記録以外に著者が出会った現地の人々の言葉や信仰を加えて多角的に捉えていることだ。 第二の特徴は、オランダや清朝、日本、中華民国と支配者が交代するごとに忘れ去られてきた台湾民衆の苦難の歴史を描こうとしている点だ。台湾人は親日的とステレオタイプに捉えがちだが、帝国日本の支配に抵抗した人々がいたこと、日本軍が治安維持のために多くの台湾民衆を殺戮したことも多くの日本人に知ってほしい。 2025/08/11
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