内容説明
日本語学の泰斗にして役割語研究の第一人者が、文楽、落語、小説、漫才、インタビュー、マンガ、アニメ、ドラマ等の幅広い資料を参照しながら、ことばと文化をめぐる謎に正面から挑む。
一度キチンと知っておきたかった
「大阪ことば」のあれやこれや。
目からウロコとはこのこと!
ほんまにほんまに。
――万城目学(小説家、大阪府出身)
※カバー画像が異なる場合があります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
116
関西弁をイジり関西人をディスる駄本とは異なり、日本語学の泰斗による本書は、大阪ことばの構造を、歴史、地域性、文化的背景、気質などから幅広く分析した極めて良質の内容。関西弁のリズムやメロディを楽譜を使って表現するなど論理的でもある。京都・神戸・奈良・滋賀などとの違いだけでなく、大阪弁を、摂津・河内・和泉の地域に分けるなどの精緻な分析は、関西弁モノリンガルの私には納得感が高い。また、関西人の気質を踏まえ、中野好夫先生がシャイロックを関西弁で翻訳することを提案された逸話もワロタ(←関西弁がネット用語に進化)。2025/06/08
けんとまん1007
53
何となく関西の言葉について感じていたことが、言語化していただけたように思う。音・アクセントやリズム。楽しく話すこと。それだけでなく、今の府県ではなく、昔の地域(国)での分析が、なるほど~と。やはり、地理的な影響は大きいのだなあ~。2025/07/15
saga
50
アニメ・漫画『じゃりン子チエ』を見て以来、大阪弁が気に入った。そのため『大阪弁の秘密』などを読んだりしたが、本書は柔らかい題名に見えて、なかなかに学術的な内容となっている。大阪ことばの、ネイティブが表現するメロディアスなアクセントは、非関西人が真似るには難しいらしい。だから、エセ関西弁が見破られてしまうのだな~。京都弁が地方に広がった遠い過去。その後、明治に標準語が東京から広がる。方言周圏論を思い出した。大阪弁は進化しながら、方言の中心地として日本各地に影響を与えているのかもしれない……知らんけど。2025/07/14
そうたそ
12
★★★☆☆ 数多の小説、落語、漫才、漫画等々の資料を引用しながら大阪弁の謎に挑む野心的な一冊。大阪ではないが、自分自身も関西に住んで、当たり前のように関西弁を使っている。関西圏、非関西圏ではこの本の読み方も変わってくるだろうと思う。とはいえ、共感というよりはむしろ普段関西弁を使っていても、その独特な言葉のメカニズムには思わずなるほどと思ってしまうような読書だった。上にも挙げたように、引用元が小難しい文献でなく、我々のごく身近なものなので、非常にとっつきやすい。気楽に"大阪ことば"を深掘りできる良書。2025/08/07
九曜紋
12
著者は日本語史等の研究を専門とする博士にして大阪大学名誉教授。紛うことなき一流の学者先生。内容は専門分野の知識も駆使しながらサブカルチャーにも踏み込む等、読者を飽きさせない。まるで「少女民俗学」の大塚英志を想起させる筆致には感心しきり。新旧メディアの発展が大阪弁が全国規模で受容される基盤を造った、という見解は一理ある。また方言は等しく保護されるべき文化だ、という説にも異論はない。一方、メディアによって下品且つ横柄、尊大な人物たちが「大阪」を背負っていることを拡散されたことは大阪にとって悲劇とは言えまいか。2025/05/03
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