内容説明
クイズ番組の決勝で、僕の対戦相手は1文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たす。彼はなぜ正答できたのか? 推理作家協会賞受賞&本屋大賞6位、圧巻のエンターテインメント。文庫化に際し短編小説「僕のクイズ」を収録! 解説は田村正資氏。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
309
本編『君のクイズ』に加えて、書き下ろし短篇『僕のクイズ』付き( ¨̮ )。クイズの間口は広くて、入り口や関わり方は色々ありますね。本書は競技クイズの最も尖った部分を題材にしているので、常人離れして見えるかもなのですが「ちなみに、クイズは知識の量を競っているわけじゃないよ」なのですよね。それ迄の生活を介して経験した全ての物事から自身が形成されていると。その中には失敗、挫折、思い出したく無い事まで含まれている筈ですが、それらを一緒くたに“クイズが僕の人生を肯定してくれる”なんですよ。味わい深い名言だなぁ。2025/04/27
海燕
129
競技クイズというものについて、これまで深く考えたこともなかった。設問の難易度やマニアックな度合いが上がり、それに知識を総動員して解答者が答えるものと単純に見ていた。本作ではクイズ番組で解答者が「ゼロ文字押し」、つまり問題の1文字目が読まれるより早くボタンを押して正答したという離れ業について、その対戦相手の立場から掘り下げ解き明かしていく。正直、そこまで分析できるのかと驚いた。出題者と解答者の腹の探り合いのようなことがあるとすれば、クイズはもはや両者の共同作業とすら言える。見方が根底から変わりそうだ。2025/06/10
マッピー
103
私は無類のクイズ好きで、しかも脳内思考だだ洩れ小説(ソルジェニーツィンの『イワン・デニーソヴィチの一日』や一連のニコルソン・ベイカーの作品など)が好きなので、ドンピシャで好きな小説を書いてもらったような気して、とても嬉しい。まるでクイズ中の脳内をトレースしたような作品で、一瞬のうちにクイズプレーヤーはこのように考えているのかというのがよくわかる。そしてそれは、競技クイズのプレーヤーが、いかに私のようなお茶の間クイズプレーヤーとはかけ離れた存在であるかを、思い知らせることでもあった。2025/10/14
nobby
88
とにかくクイズの解き方にスポット当てる斬新さや200頁程度のボリュームに一気読みだったが、なんか不思議な読み心地。確信していた勝利を相手のまさかのゼロ文字押しによってかっ攫われた衝撃!はたしてやらせだったのか、導き出す術はあったのか!?そのとてつもないクイズへの答え合わせは最後にきちんとあり!ただ、クイズ番組構成とか運営などにあまり興味持ち合わせない自分としては、そんなものか納得しながら読み進めた感じ…そしてクイズにはもっと楽に取り組みたい(笑)実際に問題全く聞かずに正解を目にしたら楽しめないだろあなぁ…2026/05/10
みこちゃん
73
クイズ番組大好きな私はにとっては大好物な作品。クイズ解答者の心理を細かく丁寧に描写してあり、単に物知りだったり教養があるだけでは手にできない、クイズ王の称号の重さを痛感させられた。今までの学習で手にした知識だけでなく、経験で学んだことの積み重ねが1問の解答に繋がっているし、解答者に許された短い時間で知識の引き出しから1つの解答を引っ張り出してくるテクニックはまさにスポーツだ。「東大王」大好きだったんだけどな…伊沢くんの良きライバルだった水上くん、お医者さんとして頑張ってるかな…なんてことを思ってしまう。2025/10/18
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