内容説明
40歳以上独身女性限定の若葉荘へようこそ!
「ここ数年で私たちの誰もが味わった痛みを、癒しのシェアハウスが包み込んでくれる……
こんな場所に住みたい、いや、こんな場所で死にたいと思った」
原田ひ香さん、絶賛!
そこは、「ひとり」で生きることを支えてくれる
40歳以上独身女性限定のシェアハウス。
40歳を迎えたミチルは、小さな洋食屋「アネモネ」でアルバイト店員をしている。仕事は気に入っているものの、世界に蔓延する感染症の影響で収入が激減。いつか元通りになると信じ貯金を取り崩しながら生活していたが、いよいよ転居を余儀なくされてしまう……。
そんなミチルを温かく迎えてくれたのは、40歳以上独身女性限定のシェアハウス「若葉荘」だった。それぞれ事情を抱える女性たちが、迷いながらもたくましく生きる様を見て、ミチルは自分の幸せを、他の誰でもない自分で叶える術を身につけていく。
「明日」が不安なあなたへ。寄り添い、勇気をくれる物語。
※この作品は過去に単行本として配信されていた『若葉荘の暮らし』 の文庫版となります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mayu
26
主人公は40歳の未婚で飲食店でアルバイトをしているミチル。コロナ禍をきっかけに生活や将来への不安を感じて、40代以上の女性専用のシェアハウス「若葉荘」に住む事で考え方が変化していく。どこを切り取ってもリアルでグサグサ刺さるものがある。40代って中途半端だよなぁととても感じていて、若い世代との関わり合いとか、1人で生きていく事やどう生きていくかの悩みは尽きない。ミチルの様に働いていてもコロナのような何かがあれば生活が突然破綻する人はとても多い。読んでいて色々と考えさせられる一冊だった。2025/07/03
モーモー
16
40代独身女性限定のシェアハウス若葉荘。40歳独身、レストランアルバイトミチルを含む住人のはなし。 独身でいると、急におとずれる孤独な想いもシェアハウスなら問題なし。そんなに恵まれいない状況でも知り合いと一緒は心強い。コロナ禍でより孤独な人が増えた世の中で、よいお話でした2025/08/18
緋莢
16
「こんなところに、誰が住むのだろう。そもそも、未だに住めるのだろうか」一角だけ、タイムスリップでも してきたのではないかと思ってしまう古いアパート。そこは、四十歳以上独身女性限定のシェアハウス「若葉荘」だった。洋食屋「アネモネ」でアルバイト店員をしているミチルは、コロナ禍の影響で収入が激減し、若葉荘に引っ越すことに。そこには、大家のトキ子を含めて、ユニークな住人たちがいて…書店で見かけて興味を惹かれて手に取りました(続く2025/06/01
こむこむ
15
忘れてはいけない気もするし、忘れる気はないけど、コ⬛︎ナの話はもうお腹いっぱいな感じもする。就職氷河期世代の1人としては、少しでも幸せだと感じることができれば、ドン底でもなんでも生きていれば良いという気もするけれど、たぶん近い将来、今から20年後くらいにはそれも難くて、今の若い世代に切られるだろう。手遅れだからしょうがないにしても、そういうのは私達の世代で終わって欲しいと思っている。この本のように40歳以上独身のためのシェアハウスも悪くはないけど、独身でなければ幸せというわけでもないし、なんとも難しいね。2025/07/12
たっきー
11
洋食屋でアルバイト生活を送る独身のミチル。コロナ禍でアルバイト収入が減り、支出を抑えるために40歳以上の女性だけが入居できる共同生活の住まい、若葉荘に移る。コロナ禍は特に多くの人が生活に不安を抱えていたが、特に単身で仕事が不安定だとその不安も大きい。ミチルが最後に「自分自身を信頼できるようになりたい」と言えるようになったのが良かったなと思った。2025/08/28