中公新書<br> 集団はなぜ残酷にまた慈悲深くなるのか 理不尽な服従と自発的人助けの心理学

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中公新書
集団はなぜ残酷にまた慈悲深くなるのか 理不尽な服従と自発的人助けの心理学

  • 著者名:釘原直樹【著】
  • 価格 ¥1,166(本体¥1,060)
  • 中央公論新社(2025/04発売)
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  • ISBN:9784121028518

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内容説明

組織の不祥事が報道されると「自分なら絶対にやらない」と思う。だが、いざ当事者になると、個人ならしない悪事でも多くの人は不承不承、あるいは平気でしてしまう。
なぜ集団になると、簡単に同調・迎合し、服従してしまうのか。
著者は同調や服従に関する有名な実験の日本版を実施し、その心理を探る。
一方でタイタニック遭難など、緊急時に助け合い、力を発揮するのも集団の特性である。
集団の光と闇を解明する試み。


■□■ 目 次 ■□■

はじめに――集団心理の光と影

序章 集団とは何か

第1章 わが国で行われた服従実験で明らかになったことは何か
1 責任を「人」に押し付ける
2 服従実験と悪の凡庸性
3 筆者が行った服従実験
4 日本での服従実験の結果は?

第2章 服従の理由は? 第三者の感想は? 実験の問題点は?
1 なぜ参加しようと思ったのか
2 服従を促進する要因は何か
3 なぜ離脱できないのか
4 服従実験の観察者は実験をどのように見るのか
5 服従実験の問題点①――生態学的妥当性の問題
6 服従実験の問題点②――方法論と倫理の問題

第3章 同調行動はなぜ起きるのか
1 同調とは何か
2 同調の分類
3 無意識に影響を受ける
4 緊急事態で大きくなる影響
5 集団規範による影響

第4章 現代日本人の同調の特色は何か
1 同調行動に影響する要因
2 筆者が実施した同調実験

第5章 同調行動はどのように拡散するのか
1 ロジスティック・モデル
2 同調の広がりに関する実験
3 大集団での同調は?

第6章 緊急事態では人は理性的に振る舞うのか
1 集団のネガティブな側面の研究
2 緊急事態では人は理性を失うのか?
3 実際の緊急事態の行動と意思決定の研究
4 9・11同時多発テロ時の世界貿易センタービルからの避難

第7章 航空機事故発生時の機内で人々はどのように行動したのか
1 ガルーダ・インドネシア航空機福岡空港離陸失敗事故
2 事故発生時の客室内
3 乗客の認識
4 脱出時の行動
5 調査のまとめ

終章 集団の光と影に何が影響するか
1 社会の価値観
2 加害者と被害者の視点の違い
3 内集団と外集団
4 行為者と観察者の認識の食い違い
5 光と影の非対称性(影が光より強いのか)

あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

132
ナチスのユダヤ人迫害やオウム事件など集団での理不尽な行動を目にすると「なぜ誰も止めなかった」と思ってしまう。そんな集団心理の有り様を、日本でのミルグラム服従実験の再現や航空機事故に居合わせた乗客の証言などを通じて検討していく。危ない状況に遭遇した人は理性的に振る舞うか、パニックで暴走するか、周囲の行動に同調するかの三つに分かれる。緊急事態では前二者のいずれかを選ぶが、最初から同調・迎合行動をとるよう工作されていたら簡単に傾斜する。人は優れた環境適応能力を持っているが、それが操られているか否かが鍵のようだ。2025/07/16

よっち

35
組織の不祥事が報道されると「自分なら絶対にやらない」と思いながら、なぜ集団になると簡単に同調・迎合し服従してしまうのか。集団の光と闇を解明する試みを解説する1冊。服従を促進する要因は何か、なぜ離脱できないのか、同調行動はなえ起きるのか、現代日本人の同調の特色は何か、同調行動はどのように拡散するのか、緊急事態では人は理性的に振る舞うのか、航空機事故発生時の機内で人々はどのように行動したのかなどを解説していて、集団心理にありがちなマイナス面だけでなく、プラス面についても取り上げていたのもなかなか印象的でした。2025/05/20

くさてる

25
難解な部分も多いが、題名通り、ある状況における集団の心理学を理解するためには大事な一冊だと思った。服従実験を日本で行った研究結果が記されているだけでも価値のある一冊だと思う。2025/06/10

みこ

16
タイトルから勝手に昨今のネット上などでの集団バッシング現象などを取り上げたものと思ってしまったが、実際は海難事故時などでの集団心理について語る一冊。事故が発生したからと言って必ずしもパニックが生じるのではなく、それはマスコミの誇張なども影響しているなど新たな視点は得られたが、実験についてのこまごまとした説明など所々冗長に感じられる部分もあり。そもそも思っていたのと違った内容という点もあってやや肩透かしな印象を持ってしまった。2025/05/27

チェアー

9
おっと思う実験が描かれていて衝撃的だった。特にナチスを想起させる禁断の虐待実験をかなり以前に日本でやった人がいたことには驚いた。 同調とは、服従とは、と改めて考える。2025/05/28

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