岩波新書<br> ブラック・カルチャー - 大西洋を旅する声と音

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岩波新書
ブラック・カルチャー - 大西洋を旅する声と音

  • 著者名:中村隆之【著】
  • 価格 ¥1,056(本体¥960)
  • 岩波書店(2025/04発売)
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  • ISBN:9784004320616

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内容説明

約400年にわたり,大西洋を航海した奴隷船.「裸の移住者」としてアメリカ大陸に連行された人々は,いかにしてアフリカの声と音の伝統を再創造し,次世代へと繋いでいったのか.アフリカへの帰還という主題から,音楽,文学,アートなどを横断的に捉え,その歴史と現在を旅する.世界にひろがるブラック・カルチャーへの招待.

目次

はじめに ブラック・カルチャーをめぐる旅へ
第一章 アフリカの口頭伝承
教室のなかのアフリカ
口承の伝統
口頭伝承のなかの音文化
マンデ系社会のグリオ
語り継がれる叙事詩
第二章 奴隷船の経験
奴隷貿易を想像する
奴隷制と西アフリカ
西欧人を取引相手とした奴隷売買
『ルーツ』にみる大西洋奴隷貿易
奴隷船上での歌と反乱
女性たちの抵抗,死者たちの声
第三章 アメリカスに渡ったアフリカの声と音
奴隷制社会をめぐる資料
聞き書きという方法
裸の移住者
ネオ・アフリカ文化
アフリカ由来の精神文化
ヴードゥーの儀式
文化維持という抵抗
ドラミングと太鼓
第四章 自由を希求する共同体の歌
合衆国の奴隷制時代の歌
アメリカスに息づくアフリカの声
スピリチュアルと呼ばれる歌
「ブラック」という共同体意識
哀しみの歌
黒人神学におけるスピリチュアルの意義
世俗的スピリチュアルとしてのブルース
第五章 合衆国のブラック・ミュージック
変わりゆく同じもの
ジャズの始まり
アームストロングの声
ジャズにおける創意と即興
混交するジャンル
ソウル・オブ・ア・ネーション
カバーによる伝統の構築
第六章 アメリカスからアフリカへ
アメリカスのブラック・ミュージック
アフロ・ブラジル音楽の展開
アフロ・カリブ音楽の多様性
アフリカへの帰還
同じリズム,いくつもの歴史
ブラック・カルチャーをめぐる次の旅へ
第七章 文字のなかの声
文字世界への参入
「トーキング・ブック」としての奴隷体験記
声の作家ハーストン
集団としての黒人の声の表現
クレオール語の口承性
声の歴史
第八章 奴隷貿易・奴隷制の記憶の光と影
記憶の場所
ユネスコの取り組み
「奴隷の道」プロジェクト
構築される記憶
文学のなかで語られる闇の記憶
奴隷貿易の闇
第九章 ブラック・ミュージックの魂
ブラック・パワーの潜在力
ナショナリズムを越えて
ブラック・アーツ運動
ブラック・ジャズ共同体
ブラック・スピリチュアル
ラップのスピリチュアリティ
第一〇章 ブラック・スタディーズとは何か
知の枠組みのラディカルな変革
アフリカ中心主義
ブラック・エクスペリエンス主義
ブラック・フェミニズム,ブラック・クィア・スタディーズ
『ブラックパンサー』とアフロフューチャリズム
アフロフューチャリスト
アフロペシミズム理論
ブラック・スタディーズの再規定
第一一章 ブラック・カルチャーは誰のものか
知の脱植民地化
収集と分類
脱植民地化と返還
ミュージアムの脱植民地化
文化の盗用とは何か
ブラックをめぐる呼称
文化は混交する
第一二章 未来に向けて再構築されるルーツ
〈関係〉の思想
環大西洋的連帯
存在論的傷
記憶の継承と発掘
クレオール化のダイナミズム
ルーツの再構築
〈全-世界〉のヴィジョン
主要参考文献
あとがき 〈関係〉のなかの私的物語

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

64
「アフリカス」と敢えて複数化した、アフリカルーツ、つまり口述伝承と音楽・ダンスなどを基層に持つ文化が、ヨーロッパによる奴隷貿易を経て南北アメリカ大陸に「ディアスポラ」し、特に合衆国ではその奴隷制の中から独自の文化を生んでいく様が前半に語られる。後半は現代の様々なブラック・カルチャーの動きが多様な角度から論じられているが、「ブラック」という、ともすれば区別につながる言葉を敢えて使いながら、その文化がアフリカ由来の関係性を重視したものだとする。こうした切り口からの文化論が新書版で読めるようになったのは嬉しい。2025/05/01

shikashika555

34
ジャズ、ブルースはアフリカンアメリカンがルーツだということは聞き知っている。 奴隷貿易の事も学校で習った。 しかしそこには何があったのか、そもそもアフリカとはどのような土地でどのような文化があったのか、連れてこられたのは「なぜ、彼ら彼女らであったのか」については何も知らない。 自分の中の知識の空白地帯を少し埋めてもらった感がする。 耕しても耕しても実りの薄い「白人の大地」アメリカ (本当はネイティブアメリカンのもの)から得た成果を基に、ブラックカルチャーはこれからどのような形で発信されるのだろう。 2025/08/16

kan

24
ブラックカルチャーの独特さの基盤にある歴史的経緯や現在も続く困難を再認識した。大学時代にSoul、Blues、Spiritualsなどの音楽の特徴や差異、変遷を米国の文脈で学んだが、本書の指摘する大西洋全体という大局的な視点でアフリカとアメリカスを見る重要性は尤もだと思った。白人音楽とは全く異なる表現手法や底流にある思い、支配関係を理解せずに行う「文化の盗用」の扱いは難しい。ブラックカルチャーに限らず、ボストン美術館のキモノイベントもそうだと言われると首を捻るが、これは私が鈍感なだけのか、よくわからない。2025/07/05

kuukazoo

17
夫くんがブルースやジャズをよく聴くので横でそれを聴きつつブラック・ミュージックを分かった気になっていたが甘かった。突然故郷から引き離され遠い異国へ連れてこられそこで生きていかねばならない時、自分の記憶と体にしみこんだ音と声とリズムが唯一の存在証明となり次の世代がそれを受け継ぎさらにキリスト教や宗主国の言語や文化と入り交じり圧倒的な差別や不平等と戦いながら生き延びてきた。400年というスパンでの変容はまさに「変わらないために変わる」という意思の表れと感じた。音楽だけでなく文学や思想方面も幅広く解説。良き本。2025/09/30

mahirunoahiru

10
「はじめに」を読むと音楽の話メインなのか?って感じで、私は海外の有名アーティストのこととかまったく知らないので一度読むの諦めたんだけど、機会があったので読んでみたら普通に奴隷制について詳しくなれる本でしたね。黒人が奴隷としてアメリカにつれてこられたっていうけど、具体的にどういうこと!?というのが具体的に書いてあって面白かった。私が奴隷制についての基本的なことを知らなすぎるだけ説もあるけど。いやでも日本人はやっぱ黒人問題に興味ない人多いんだって。私も流れで黒人テーマの本とか読むまで全然知らなかったしな。2025/10/27

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