内容説明
「ロマンティックな文学のみがひとり無限であり,ひとり自由であり,そして詩人の恣意はいかなる法則の重圧も被らない」 Fr.シュレーゲル(1772-1829)が「イロニー」「反省」などを用いて既存の価値観を打破し,「共同哲学」の樹立を試みた断章群は,ロマン派のマニフェストとして,近代の批評的精神の幕開けを告げる.
目次
凡例
リュツェーウム断章集
アテネーウム断章集
イデーエン
訳注
訳者解説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
袖崎いたる
4
ロマン派の人。正確に難ありやったけど、その難を突き通して崇高なる個人を開花させた。シュレーゲルは兄も文学してたみたいで、2人だけの雑誌も作ってたみたい。2人だけになったのは弟フリードリヒ・シュレーゲルの性格難によるものらしいが。ざっと眺めてみると哲学への言及が多いのが印象的。気に入った断章は「消極的キリスト教徒は、宗教を大抵は医学的観点から見ており、積極的キリスト教徒は、商業的観点から見ている。」(p208、アテネーウム断章集)が好き。癒か、利か。なにか考えが発展できそうな予感のする一節じゃあないか。2025/06/02
しお
2
スピノザ的精神のもとに、あるいは伝達/分有の哲学のために。共同哲学の構想の時期であるが、日が明ける方角に向かえばいいと気づくのは後の話。Fr.シュレーゲルがしかと概念把握した文学制作(ポエジー)とりわけアイロニーを前にしては、現代われわれの頭の片隅によぎるなにかと相関的な跳躍が野暮ったくさえ感じる。…………本作について感想を書くことについて、自分はどうも近すぎる気がする。あるのは周辺観光案内ばかりでしかなく、根本についぞ触れることはない。そこに気付かぬことをしかじかと評価するのも近さを描く役には立たない。2025/06/23
Ryoma Okamura
0
いたずらに悪魔に身を捧げること以上に惨めなものはない。例えば、いかがわしい詩を作ってはみたものの、とても傑作とは言えない場合がそれだ(p.99)。 オウィディウスはエウリピデスと大いに似ている。人を感動させる力、レトリックの輝き、たっぷりとした饒舌、虚飾、中身のなさ。どれも同じである(p.108)。2025/09/15
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