内容説明
難民滞在施設をでて,親友の家に引っ越したマディーナたち.ようやくこの国で「ふつう」の生活を始めたが,パパは音信不通で,ママはうつ.夢は医者になること,でも家族の面倒を見るので精一杯.そして周りに外国人に厳しい目を向ける人たちが増えて…….力強く語られる,難民一家のリアルな日常.『あいだのわたし』続編.
目次
あいだのわたしたち
訳者あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
そらこ
6
『あいだのわたし』の続編。在留許可のおりたナディーナは親友の家の階下で暮らしている。父親は故国に戻った。ナディーナは鬱状態の母親や幼い弟の面倒を見ながら前向きに生きている。やっと居場所をみつけた気持ちになった頃、「ガイジンは出ていけ」とプラカードを持った人が公園に現れる。はじめは小さかった移民排除の声は次第に大きくなる。移民としての苦悩は大きいが、親友との関係、恋、勉学、将来の夢と、15歳の女の子らしい日常の思いが、しっかり書かれているのが魅力。彼女をとりまき支える人々が素敵だ。2025/08/15
Mipo
4
『あいだのわたし』の続編。主人公マディーナは移民だ。在留許可が下り親友の家に暮らし始めた。父は不在で母はふさぎこんでいる。ある日、移民反対派のヘイトにあう。多感な15歳は必死で現実をふりきり、幻想の世界に浸る。みんなと同じでいたい、という幻想だ。だが現実の出来事がマディーナを半分に切り裂き、乖離させる。ずっと非常事態だ。逃げてきたのにいつでも逃げられるよう準備をしながら暮らすというのは、どんなに厳しい状況だろうか。物語好きのマディーナの心の声は、詩的で美しく、揺れる心を海になぞらえた描写に引き込まれる。2025/10/03
shoko.m
3
『あいだのわたし』もよかったが、選挙後の今だからからもしれないが、こちらのほうが今のわたしには響いた。マディーナの日常に落とされた黒い一つの点。これが日ごとにじわじわと大きくなっていき、ついに、というところで、気持ちが止められなくなり嗚咽をあげて泣いた。人間は、なんて愚かなのか。どこまで落ちていけば気がすむのだろう。隣人を人と思わなくなる世界に自分はどこまで抗えるだろう。キング先生やカフェの店主のように、わたしはふるまえるだろうか。世界中のマディーナが安心して暮らせる世界をわたしたちは作れるだろうか。2026/02/14
くるり(なかむらくりこ)
3
「あいだのわたし」から「あいだのわたしたち」へ。つまり、これはマディーナだけの物語だけではなく、訳者あとがきにあるように、「わたしたち」つまり読者の物語でもある。そして、作者が6年を経てこの続編を書くに思い至った世界とヨーロッパの情勢、訳者があとがきを書きながら憂えていた日本の情勢は、今むしろいっそう悪くなっている。あいだのわたしたちは、わたしは、さて、どちらへ?ただマディーナにとっての「わたしたち」は、祖国と今いる場所両方に自分のアイデンティティを確立させられた意味でもあり、それは大きな希望だった。2025/10/29
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