サッチャリズム前夜の〈民衆的個人主義〉 - 福祉国家と新自由主義のはざまで

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サッチャリズム前夜の〈民衆的個人主義〉 - 福祉国家と新自由主義のはざまで

  • 著者名:長谷川貴彦【編】
  • 価格 ¥3,520(本体¥3,200)
  • 岩波書店(2025/04発売)
  • GWに本を読もう!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
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  • ISBN:9784000616867

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内容説明

戦後のイギリスでは「衰退」が強調される一方で,福祉国家の下で「民衆的個人主義」が花開いた.民衆的アーカイヴを駆使し,戦後史の分水嶺とされる新自由主義的改革へと向かう一九七〇年代の社会が内包していた多様な可能性を,福祉や教育,ジェンダー,移民と多文化主義,宗教とモラリズム等の面から明らかにする画期的論集.

目次

序章 一九七〇年代の民衆的個人主義(長谷川貴彦)
はじめに
一、戦後史の再検討
二、一九七〇年代論
三、民衆的個人主義の諸相──本書の構成
おわりに
第1章 コミュニティ・アクションの源流──ノッティングヒルのジャン・オマリー、一九六八─七五年(長谷川貴彦)
はじめに
一、ノッティングヒル
二、コミュニティ・アクション
三、ジャン・オマリーの思想と実践
おわりに
第2章 教育政治の変容と新自由主義──ウィリアム・ティンデール校事件(一九七五年)を再訪する(岩下 誠)
はじめに
一、イギリス教育改革はどのように語られてきたか
二、ウィリアム・ティンデール校事件
三、背景とアクター
四、対立
おわりに
第3章 ライフヒストリーからみたウーマンリブ運動──オルタナティヴな女性コミュニティの希求(梅垣千尋)
はじめに
一、イギリスのウーマンリブ運動
二、世代論的にみたウーマンリブ運動
三、四人の若き歴史家たち──家庭とは別の居場所を求めて
おわりに
第4章 ゲイ解放戦線の運動経験とそのレガシー──「サッチャリズム」ナラティヴ再考のために(市橋秀夫)
はじめに
一、最初の公然デモ
二、GLFの運動基盤──誰が参集したのか
三、GLFの活動の核心──当事者直接行動と街頭劇グループ
四、GLFの運動の「衰退」
五、「ゲイ・リベレーション」から「ゲイ・アクティヴィズム」へ
おわりに──GLF/カウンターカルチャーとサッチャリズム
第5章 「危機の時代」の北アイルランド問題──バーミンガム・アイリッシュの経験から(尹慧瑛)
はじめに
一、一九七〇年代の北アイルランドとブリテン
二、「内部の他者」としての在英アイリッシュ
三、バーミンガム・アイリッシュの経験
おわりに
第6章 「踊りの場」の人種差別(浜井祐三子)
はじめに
一、歴史的背景
二、「踊りの場」での差別 一九六八─七六年
三、人種と民衆的個人主義──メッカを事例として
おわりに
終章 「許容する社会」、モラルの再興、マーガレット・サッチャー(小関 隆)
はじめに──「許容する社会の巻き戻し」
一、一九六〇年代との接続
二、「許容」の時代
三、一九七〇年代の反「許容」
四、サッチャリズムとモラルの再興
おわりに──サッチャーの敗北?
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

79
タイトル通り、60年代から70年代にイギリスはどのようであったかということを章ごとに説明しており、最後にそれを受けてサッチャーがどう選挙で勝ち、どんな政策をうっていったかと繋げている。①「コミュニティアクション」:都市部の社会活動でフィミニズムヤ環境保護などとも共鳴、ノッティング・ヒルを例にニューレフトの出現、民衆的個人主義に内在する中流の専門職のテクノクラートの志向かまサッチャリズムへの反転を生み出す。②ウィリアム・ティンディール事件を例に自動中心主義の自由な教育が招く荒廃⇒サッチャーの教育改革(続く)2025/03/25

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サッチャリズム前夜の民衆的個人主義 福祉国家と新自由主義のはざま 集団主義的な階級意識が減退 下からの社会構造の変化 公共部門の拡大が経済低迷の原因 反企業的文化が根付いている 社会保障支出の増大は批判の対象 伝統的な秩序の崩壊に対する不安 コミュニティアクティビズム ボトムアップの運動 ブラックパワーの急進主義 教育の荒廃が社会問題 進歩主義教育の行き過ぎ 女性らしいものをすべて破壊 オルタナティブな女性コミュニティ 連帯的なエートス 内部の他者としての在英アイリッシュ 白人と非白人の二項対立2025/04/09

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